第二百九十五訓 ページ3
これは私の歳が一桁で…純粋無垢だった頃の話だ。
母と父は私を可愛がってくれていて、とても仲睦まじく幸せに暮らしていた。
とても幸せだった。
暖かく、そうまるで……
"絵に描いた様な"幸せな家庭。
けれどそんな家庭は一瞬で崩れる事になる。
……元々、純粋ながらに察していたのだ。だって、一つだけ聞いてはいけない質問があったから。
『ねぇお母さん、お父さんって何の仕事をしているの?』
そう、この質問だ。父の仕事について。この質問は……
「んー?何をしているんだろうね」
いつもはぐらかされた。深く聞こうとしても…拒否、された。
『でもお父さん、毎日大きい船に乗ってるよね』
「えぇ、宇宙に言っているからね」
『うちゅー?』
子供の頃は分からなかったが、今なら分かる。父は宇宙海賊だったのだ。それも、違法な物を横流しや売買する海賊。
けれどその頃の私は子供。父の仕事は凄い物なのだ、と思うだけだった。
だがある日__家庭に亀裂が入った。
「____か?__とAは!?」
「____し。__よ、あんな子供」
「___!!__い!」
『………?』
ある夜の事。眠っていた私は、叫び声で目が覚めた。
叫び声の方を見ると、父の足に泣きつく母が。
「どうして…私達を置いていくのですか!?愛していると言ってくれたのに?Aはまだ10にも満たないのに!?」
司欧「別に最初からお前達の事なんてどうでも良かったんだけどなァ…仕事に邪魔なんだよ、一時の遊びだったのにお前が本気にして子なんて孕むから…」
「そんな、では…私を殺し…Aを吉原に売るとは本当なんですか?!」
会話からして、私は悟った。
____嗚呼この両親は異常だ、と。
思えば母は父に心酔していた。ベタ惚れ、という物だろうか?
子供である私にも父の面影を見ていた気がする。けれど私を娘として大事にしてくれたし優しかった。
だが父はどうだろうか。私に無関心だったし、私の質問等にも生返事だった気がする。
そういえば__父が、母の居ない所で知らない女の耳に何かを囁いていたのを見た事がある。
母は仕事仲間よ、と言っていたけど…もし、違うのなら。
『お、とうさん…おかあさん?』
「!A…!」
気づけば、二人の前に出ていた。
ー
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トめAと@とめぇーとぉーの精霊:カド松さん:(プロフ) - すごい・・・・・私比較的地雷が多いけれど全く地雷に触れてない・・・・・ここまでおもしろいと思ったのには初めてであいました・・・・・!オリキャラとかもよく殺意がわくけど有君とかぜんぜん腹立たないというかもっとやってくれって思うっていうかもう最高です! (2022年3月30日 6時) (レス) @page34 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 阿呆代表の神さん» すみません、全部知らない……本当にごめんなさいアニメ知識不足で……!!代わりと言っては何ですが他のもののリクエストもっとください!本当にごめんなさい……!!! (2021年5月27日 17時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
阿呆代表の神(プロフ) - もう銀魂が他の作品に侵食されつつあるの草。あの、もしまだやってなくて知ってるのなら、スケットダンス、ムヒョロジ、ボーボボ、ハガレン(これに至ってはもうジャンプじゃない)…この中でひとつでも良いので、知ってるものがあれば番外編でやって欲しいです…… (2021年5月26日 3時) (レス) id: 10eaece567 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - 雲隠れさん» ま、マジですか!?有難う御座います……!感動して頂けるなんて凄く嬉しいです!!これからも頑張ります!!! (2021年5月11日 7時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
雲隠れ - 泣きました。凄く感動しましたっっ! この小説最高過ぎます…。ヒロインかわいいし面白いし、とにかく最高なので何回も読み返させていただいています。これからも頑張ってください! (2021年5月10日 23時) (レス) id: 9c937fba5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2020年12月14日 23時