【銀魂】空から女の子が降ってきました。８

第三百十訓 ページ21

そっぽを向いてしまった神威に話しかける。





『おーい、神威ー？拗ねないでおくれよー、私が今話してるのは神威なんだから。おーい？？』



神威「……別に拗ねてないんだけど」






あ、喋った。





(……妹にヤキモチとはねェ…可愛い所もあるじゃないか)






神威「何か俺、オネーサンと会ってからおかしいヨ」



『ん？』



神威「感情の起伏が激しくなったっていうか…以前の俺なら朝霧の奴等も縁談相手も全員殺してオネーサンを拐ってた筈なのに」






え、そうなの？？怖いんだけど？？？






神威「けど…何でかな。オネーサンの悲しい顔は見たくないんだ。これが惚れた弱み、ってやつ？俺オネーサンに惚れ込んでるのかな」



『！』






いつもの笑顔とは違い…クス、と含み笑いをして此方を見る神威。色っぽい笑い方に心臓がはねる。





(どこで覚えてきたんだろうねその笑い方！！)





するとそこで、神威が急に立ち上がった。






神威「残念だけど、そろそろ行かないと」






どうやらもう時間が来たらしい。






『そうかい、じゃあ…またね』



神威「うん」






少し寂しい気もするが、手をヒラヒラと振ると…神威も同じ様に手を振り返してくれた。



そして、廊下を歩いて戻ろうと歩き出す。






神威「………A」






が、途中で立ち止まった。






『……？』






神威は私に背を向けたまま話す。


……真剣な声音に、ちょっとだけ背筋が伸びた。






神威「拐ってほしい時は言ってね？」



『！神威……』



神威「…いつでも拐ってあげる。Aといるのは楽しいからさ」



『ふふ、ありがとうね』






まだ諦めてないのか、と思いつつも…神威の優しさが嬉しくて、笑ってしまう。






神威「別にこれ位どうって事ないよ。
……なんてったって俺は最強になる男だから」



『くくっ、そうかい。じゃあ君は海賊王にでもなるのかな？』



神威「それでも良いかな、強い奴に会えるし」






え何？悪魔の実食べたの？？君がルフィなら高杉の片腕なくなるじゃん。






『そりゃ壮大な夢だねェ』



神威「ははっ、でしょ？まあそんな訳で、さ。拐って欲しかったら海賊王によろしくネ」






そのまま靴音を鳴らし、神威は去っていった。









『………有難う、神威』






私はその靴音をジッとして聞きながら呟く。



有難う。嬉しいよ…でも、ごめんね？
その誘いは…魅力的だけれど、受けられない。









私は、真撰組だから。









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