ヒーローと甘々。その１８。【仮面ライダー】【スーパー戦隊】

✿この距離０センチ。　ブレイド【剣崎一真】 ページ49

※ヒロ甘。１７弾【１５年越しのリスタート。】の剣崎くんルート

✿Maro茶@さくらぁ＆剣(特に始さん)推し様リクエスト✿

ＮＯサイド

本当は、再会した日から答えは決まっていた。

もっと言うのなら、１５年前から片想いしていた。

剣崎一真に。

でも言えなかった。

この距離が怖かったから。

１５年前みたいに喋れなかったらどうしよう。

そんな事を思って。

そもそも、２人は離れていた間過ごしていた環境も、していた事も何もかも違う。

この差を埋め合わせるのはきっと、簡単じゃない。

想いを告げなければ、苦しいのは自分だけで済む。

それで良いと思った。

でも、ふと思い出して。

１５年前は、Aはまだ子供だった。

思春期真っ只中と言った年頃で、初めて恋をした。

でも恥ずかしくて、剣崎には想いを伝えられず。

そのまま彼はジョーカーになり、離れ離れになったと言う訳だ。

Aはそれを酷く後悔した。

そんな経験から言えば、剣崎がまた何処かへ行ってしまう可能性はゼロじゃないし、そうなればまたAは後悔する。

どんな事態になったって、結局伝えなければ何も変わらない。

Aは告白を決心した。

その日、Aは剣崎をハカランダに呼び出した。

自分の部屋に来て貰い、誰にも入られない様に施錠する。

躊躇っている場合では無いから、Aは口を開いた。

『私、剣崎くんが好き』

剣崎「………えっ」

返って来たのはそんな間抜けな声。

『ほんとは、ずっと前から好きだった。だから私、剣崎くんを選びたい』

Aは全ての想いを吐き出した。

すると、剣崎は目を丸くして、それから嬉しそうに笑った。

剣崎「ありがと。俺も、Aが大好きだぞ」

にこりと微笑まれて、久々の凛々しく少しあどけない彼の表情にどきりとする。

でもそれが嬉しくて、Aも笑った。

『剣崎くんは、ずっと剣崎くんのまんまだね』

剣崎「どーゆー意味だ、それ」

『ずっと、大好きな剣崎くんで居てくれて、変わってなくて、何か安心した。昔のまんま、こうして話せてる』

Aが口元を緩めると、剣崎はそっとAに凭れる。

剣崎「こっち、向いて？」

剣崎に言われてAは少し顔を上げた。

するとゆっくりと唇が重なる。

また、彼との１５年分の距離が縮まった気がした。

これからまた、ゼロ距離で恋をする。






リクエストありがとうございました✨

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