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インスペクションメンバー、通称インスペとは、伊流が考えたものだ。


 伊流の観察力・洞察力は類まれないものである。 三年のもう一人の語って奴も、なかなか凄い。


 この二人は主力だが、最初はコートに入らず相手の癖や穴などを見つける。


 その二人の主力を埋めるのが、インスペクションメンバーと呼ばれる二人だ。


 この二人は伊流と語に劣るが、三年に引けを取らないほど上手い。 その実力は悔しいが認めている。


 ……とまあ、要は伊流と語が相手を負かすゲームメイクをするための臨時メンバーと言えばいいだろうか。


 肝心の伊流と語がいないから一年生たちの弱点を完璧に見抜くことはできないが、

 俺たちもそれなりに観察力はあると思いたい。


 てか最初からインスペクションメンバーで企画しとけばよかったな。


「刺北、永絵、南、沙苗、頼むぞ」


 語がいないから一人欠けてるが……まあ大丈夫だろ。


 決して舐めているわけではないが……俺ら五人でも強いところを見せてやるよ。


NO side


「やべーぞ水槍先輩……」


「いやセッターだろ。 永絵先輩のトス回しえぐ……」


「それ言ったら南先輩もやばいぞ」


「刺北先輩もやばい……なんだよあのスパイク……」


「早苗先輩のバネえぐいて……」


 適当に選ばれた一年とインスペクションチームの対決を見ている一年から「やべえ」と必ず入っている

 会話を聞きながら、水槍は苦笑いしていた。


 点差的には余裕がありまくっている。 なんせ(インスペ)23VS2(一年)なのだから。


「永絵!」


「ナイスレシーブ……っ刺北!」


「ぅラァ!!」


 二年で繋がれたボールは、一年のコート内に落ちる。


 俺がいなくても大丈夫だな、と思いながらも、精神は俺たちより何を地味に感じる。


「ナイスだ刺北。 調子いいな」


「はい、ありがとうございます」


 ……コート外と性格が違いすぎて、一年一緒にいても刺北だけどうしても人格が掴めない。


 尊敬通り越して怖いわ、二年になつかれてる伊流が。


 そんなことを考えているうちにもう試合は終わったらしく、23点差をつけて圧勝した。


「お疲れさん。 スポーツトレーナーの息子のスポドリをどーぞ」


「おっ、語」


「おっす〜」


 バレー部随一の自由人、射野 語がいつの間にか体育館内にいた。

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作者名:天つ空 | 作成日時:2022年11月7日 19時

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