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「……この遺体、持って帰るぞ」
虎杖は下半身を食われた死体に近づくと、低くそう言った
「あの人の息子だ。顔はそんなにやられてない、遺体もなしに死にましたじゃ納得できねぇだろ」
『虎杖…』
が、それを伏黒が虎杖のフードを引っ張って止める
「あと二人の生死を確認しなきゃならん。その遺体は置いてけ」
「冗談いうな!振り返れば来た道がなくなってんだぞ、後で戻る余裕なんてねぇだろ!!」
「後にしろじゃねぇ、置いてけっていってんだ!
唯でさえ助ける気のない人間を、死体になってまで救う気は俺にはない」
「助ける気がない人間だと!?」
「ここは少年院だぞ。呪術師にはあらゆる現場の情報が開示される。
そいつは無免許運転で下校中の女児をはねている。
二度目の無免許運転だ」
「!」
虎杖は大きく目を開く
「お前は正しい死に拘ってるな。だが、その助けた人間が将来人を殺したらどうする」
「っ…じゃあ、なんで俺達を助けたんだよ!」
二人の喧嘩に、野薔薇はあぁっ!と声を荒げ二人にずんずんと近づいていく
「いい加減にしろ!あんたたち、馬鹿じゃないの!!少しは時と場を、」
『っ、待って野薔薇、足元!!』
「え?」
その時、野薔薇の足元が黒く染まり、その中に引っ張り込まれる
「くぎ、さき…?」
『野薔薇…!』
そして野薔薇が沈んでいったように、私の足元も水のように歪みその中に引っ張り込まれる
『わっ!』
「「A!!」」
・
『うぎゃっ!』
何かに引っ張られ、私がたどりついたのはじめっとした暗い空間。
…というか、尻から落ちてきたからめちゃくちゃ痛いんだが……
『……どこだよ、ここ』
立ち上がり、あたりを見回すが真っ暗で何も見えない。
呪力のコントロールを覚えるまで持っていていいよ、と言われた水破を太ももに着けたホルスターから取出し、握りしめる。
その時、後方から強い呪いの気配を感じそちらを向く
『っ!』
そこには、大きなぎょろ眼をした呪霊が、その大きな目でこちらを見ていた
その口には、閉じこめられた残りの二人のうちの一人と思われる男が、恐怖に染まった顔で食べられていた
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マリイ - 「夢主が宿儺様を(悠仁みたいに)食べた」設定と「夢主が呪霊を式神にする(式神にする呪霊は花御で)」設定見たいです (2021年1月4日 15時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます!!頑張りますー!!!! (2020年11月26日 12時) (レス) id: af85f8939e (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください! (2020年11月26日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!自分も何も知らないでいきなり飛ばされる系が好きです!まだ始めですが頑張ります―! (2020年11月23日 16時) (レス) id: fcc3212c03 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - こういう系大好きです!主人公が知らない世界に来て「え?どこここ?」みたいな展開が好きです!今後も頑張ってください! (2020年11月23日 14時) (レス) id: 890ce0fcb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白 | 作成日時:2020年11月23日 12時