知識０が呪いのいる世界へ来た件 【呪術廻戦】

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「…ぅで、う……」


のっそりと遅い動きで、呪霊は私がいる部屋に入ってくる。
私は先ほどのように逃げも隠れもせず、呪霊の正面へと立ちはだかる


『…さっきのように逃げてばっかりじゃねぇぞ』

「うで、ぅ、よこせぇぇぇっ」


呪霊は単調に腕を伸ばしながら突進してくる。
私は水破を構え、右腕から一本ずつ確実に撃ち落としていく。


「う、うぅ」


すぐさま一発撃ち、隠れ、その障害物の影から一発撃つ。
なるべく敵の死角になるところから、また一発、一発、と撃ちこみ続ける。

心臓をこのまま狙ってもいいが、一発も弾丸は無駄にできない。
今は、あの腕が再生するまえに撃ち落とす！

一度に複数の部分を消されると修復に時間がかかるのか、先ほどより腕の修復は緩やかになっている

残る腕はあと二本。これを撃ちこめば、


「ぁぁぁぁぁぁぁっっ！！」

『っ、やば！』


突如奇声をあげ、呪霊は素早く腕を伸ばし私の体にぶち当たる。

『がはっ！！』

壁に叩きつけられた、と理解するよりも先に視界が揺らぎ、激しい痛みが体を襲う。
床に落ちてしまった水破を手に取ろうと腕を伸ばすが、身体が痺れて動かない


その間、呪霊の腕は徐々に戻りかけ、何時の間に4本まで戻っていた。


もう残り数は2発しかないのに。


『…んなとこで、死ぬのかよ……』


結局ロクに何も知らずに、こんな気持ち悪い物体に殺されるのか。
何で、どうして。


まだ死にたくない、生きていたい、怖い、助けて、怖い嫌だいやだいやだ、嫌だ！！！


私は、私は、





―――いや、違う。
　
　


『…………なんで、私がそんな怯えてなきゃいけねぇンだ？？？』

『こんなことになってんのも、結局は私のせいじゃねぇ、私は悪くない、なのになんで、』


恐怖は怒りへ、マイナスはプラスの力へ、


『なんでお前みたいなキモイ奴の餌食に私がならなきゃいけねぇんだ？？』


バケモノの体は完全に元に戻り、8本の腕が私を殺そうと飛んでくる
　

が、その動きは鈍くまるでスロー再生をしているかのように遅い。
頭も、心臓も、どこも狙い放題だ。
　

『頭ぶち抜いてやる』

　
なんでとか、そういうのは今はどうでもいい。
私の手にはいつの間に拳銃が握られていた。


【貴女の怒りを、そのまま兵破に乗せるのです】


　
　
　
『死ねよ、バケモノ』

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