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「手始めに、幎、お前を殺す。それからその小娘を食ってやる」
『おやおや、甚振られるだけだからやめた方がいいですよ?今の貴方などわたくしの相手にすらなりません。つまらないだけなので、却下します』
「そのふざけた口を聞けぬように、あ?」
男が言葉を最後まで言う前に、自らの手で自分の口を塞ぐ。
「人の体で何してんだよ。返せ」
「オマエ、なんで動ける」
「いや、俺の体だし」
それは、とても不自然な会話。
問いも、それへの答えも、全て虎杖の口から紡がれ、まるで彼の中に二つ人格があり、それが両方表に出てしまっているようだった。
『どうなってんだ…?』
『器の人格が宿儺を抑えているようですね…。普通なら有り得ませんが』
今更普通なんてここじゃ通用する気がしないんだが…
「動くな」
今まで様子を見ていた伏黒が、虎杖に警告をする。
伏黒の足元には、影のような黒い何かがうごめいている。
「呪術規定に基づき、虎杖悠仁。――お前を呪いとして祓う!」
「いや、なんともねーって!
それより、オレも伏黒もボロボロじゃん。Aも怪我とかあったら困るし、早く病院行こうぜ」
『私は特に何もねぇが…それに、伏黒だって頭から血が出てるし、虎杖の言う通り……』
「A、虎杖を祓った後はお前を祓う。だから動くなよ」
…イマイチ祓うってのがどういう意味がわからないが、それはこの私の中にいる幎ってやつを追い出すってことか?
伏黒が虎杖を睨みつけながら何かを言おうとした瞬間、
「今、どういう状況?」
突然、新しい声が聞こえてくる。
そちらに視線を向けると、高身長の目元を隠した奇妙な男が立っていた。
「五条先生!どうしてここに…」
「や。来る気無かったんだけどさ」
ごじょーせんせい。
せんせい。
……このいかにも怪しそうな男が教師!?
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マリイ - 「夢主が宿儺様を(悠仁みたいに)食べた」設定と「夢主が呪霊を式神にする(式神にする呪霊は花御で)」設定見たいです (2021年1月4日 15時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます!!頑張りますー!!!! (2020年11月26日 12時) (レス) id: af85f8939e (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください! (2020年11月26日 0時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!自分も何も知らないでいきなり飛ばされる系が好きです!まだ始めですが頑張ります―! (2020年11月23日 16時) (レス) id: fcc3212c03 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - こういう系大好きです!主人公が知らない世界に来て「え?どこここ?」みたいな展開が好きです!今後も頑張ってください! (2020年11月23日 14時) (レス) id: 890ce0fcb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白 | 作成日時:2020年11月23日 12時