サッカーオタク、日本一を目指します【イナイレ】 (ページ3)

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Aside
　
　
『はぁ…』

開幕からため息。
だが、このため息は決して何か嫌なことがあったからではない。

そう、歓喜のため息である。
　

「A、またサッカーの試合見てるの？」

「本当に好きだよねぇ～」

『サッカー観戦は私の生きがいよ。それは朝だろうと夜だろうと、学校だろうと関係ない』
　
「いや、学校はダメだろ」

私は長谷川A。

中学2年生、趣味サッカー観戦というそこら辺にいる普通の一般生徒だ。

携帯電話の小さな画面で、私は大好きな過去の試合を見返していた。
その試合は、今まで見てきたものの中でもトップ5に入る試合。
　

『やっぱ豪炎寺君かっこいいわ…同い年とは思えん。
一年生の時の試合だけど、ストライカーとして頭一つ抜けてるのよ。

何よりこの試合はね、割と木戸川清修が押されてたんだけど、後半戦からの巻き返しがとんでもなくてね。

その起点となったのが豪炎寺君なんだけど、その戦いぶりまさに炎のストライカー！

強い、頭いい、かっこいい。そんなん推すしかないよね、わかるわかる』

「あーあ、また始まっちゃった。Aのサッカー語り」

「オタク特有の早口出てますよ」

おっとこれは失礼。

「てかA、帝国の試合見ても同じようなこと言ってなかったっけ？」
　
『いいか、生きてりゃ推しってのは増えていくもんなんだ』
　

だがその豪炎寺君、今は転校して木戸川清修にはいないのだという。
流石にどこに行ったかまではわからないけど、今年もどこかのチームでFFに出てるといいなぁ…。

　
「そういえば聞いた？今日、このクラスに転校性が来るんだって！」

『え、マジ？』

「マジよマジ！私、先生が職員室で話してるの聞いちゃったの」

　

転校生かぁ……どんな人なんだろう。