サッカーオタク、日本一を目指します【イナイレ】 (ページ27)

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「なんだよ、尾刈斗中の怖い噂って」
　
一度練習を中断し、私達はみんなに尾刈斗中の噂話をすることになった。

『…これは私も噂程度しか聞いたことないんだけど…』

尾刈斗中というのは、その名の通りオカルト的な噂が絶えない学校。

例えば、尾刈斗中と試合をした選手は三日後に全員高熱を出して倒れたり、試合に負けそうになると凄い風が吹き出し試合が中止になる…などと言った噂がある学校。

『…ちなみに私が試合を見に行ったときは、何故か相手校の選手たちがみんな突然動けなくなってたりしたよ。

なんかの、呪いにでもかかったみたいに…！』

「ひいっ！」

壁山達1年生はブルりと身を揺らす。
まあ噂の方は置いといて、動けなくなってたっていう話は本当だ。

他に覚えているのは、なんか監督が個性的というか…試合中もずっとぶつぶつ言ってたし、あれは何なんだろ。
　

「あの…やっぱり豪炎寺さん…」

「そうでヤンスね…」

ふと少林と栗松がぽつりとつぶやく。
その言葉に、染岡はきっと睨みつけながら声を張り上げた。
　

「なんだお前ら！豪炎寺なんかに頼らなくても、FWならここにいるぜ！！」

　
…なるほど、染岡がピリピリしているのはこれか…。

豪炎寺君のシュートは、圧倒的な威力で帝国ゴールをこじ開けた。
確かにあんなシュートを見たら頼りたくなる気持ちもわかるし、いてくれればなんて心強いだろうか。

でも、彼はここにいない。

『皆が呪いなんてはねのけるくらいに強くなっちゃえば問題なしだよ？』

「そうそう。それに豪炎寺豪炎寺って、そりゃ染岡も怒るって」
　
　
マックスや半田達がフォローを入れるが、それでも宍戸達は不安そうな表情だった。
　
　
「皆、人に頼ってばかりじゃ強くなれないぞ？

それに、俺達にはAもいるんだし！」

なっ！と守は笑みを浮かべながら私に目線をやった。

『……えっ？』

「えっ？」

……ん？どういうことですかね守君…？

　
　
「だって、次の試合も出てくれるだろ？」

　
と、守はさも当然のように言った。