サッカーオタク、日本一を目指します【イナイレ】 (ページ16)

今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:13,481 hit

１４ページ16

　
その後、何とか壁山を見つけ、皆はグラウンドに戻ってきた。
とりあえず11人集まり、試合をする体裁を整えることができた。

私はとりあえずベンチで、雷門中と帝国学園の一戦を観覧する。

「先輩！！」

『おわっ！？』

試合が始まる直前、突然肩を叩かれ振り返ると、そこには数日前にも会った春奈がいた。
突然だったから変な声上げてしまった…。
　

『びっくりした…心臓口から飛び出るかと思ったよ…』

「えへへ、つい。先輩、ここで一緒に試合見てもいいですか？」

『取材？私はいいけど…』

「私も大丈夫よ」

「ありがとうございます！あ、私、新聞部の音無春奈です！どうかよろしく！」

三人でベンチに座り、グラウンドに目をやる。

　
『掲示板の張り紙、ありがとうね春奈』

「いえいえ！でも、本当に11人揃って、よかった…」

あの時、守がお願いしたサッカー部の宣伝を、春奈は律義にも守ってくれた。
学校中の掲示板に部員募集の張り紙が翌日に張られていたのは、さすが新聞部の仕事の速さだと思った。

「それで？」

「それで…？」

「勝つ自信、ありますか？」

私と秋は目を合わせ、

「あるかないかって言われたら…」

『…うーん、ないよね』

「あぁ、やっぱり…！」

あの圧倒的な力を見せつけられ、どう考えても勝てるような相手ではないことは誰もがわかっていることだった。

でも、と秋は続ける。

「円堂君たちを見てると勝つかも、とかそんな気がしてきちゃうのよね。
まだ始まったばかりのサッカー部だけど。

ね、A」

秋の問いに、私はうんと大きく一つ頷いた。
圧倒的な力はなくても、誰よりも諦めない心を、そしてサッカーが好きな心を持ち合わせている。

そんな彼らの姿を見てると、不思議ともしかしたら、と思えてしまう。

「わぁっ…！かっこいい！今のコメント、使わせてもらいますね！」

「え、えっ？」

その言葉に、秋はほんのりと頬を赤らめた。