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『はー久しぶりにこれだけやると流石にへとへと…』
「そりゃあれだけぶっ続けでやってればな」
あの後、遅くまで練習をしていた私は、家まで送ってくれるという一朗太と共に家路を辿っていた。
もう時刻は20時を回っており、いつの間に空は闇に包まれていた。
『ありがとうね、一朗太。一緒に戦うって言ってくれて』
「俺が円堂とAの熱意に乗ったんだ。
それに」
『？』
「昔から、お前達はよく無茶をするからな。ちゃんと俺が近くで見てないと」
『あはは、確かに守は無茶して………ん？ちょっと待って、もしかして私も数に入れられてる？』
「Aも大概だぞ？」
一朗太と守と私は幼馴染。小さい頃は3人でいるのが当たり前だった。
特に守はよく無茶なことに出ることが多く、2人でそれを止めるのがいつもの光景だった。
「ほら、小さい頃サッカーボールが木の上に乗っかって、取ろうとしたAが落ちたやつ。
何とか俺と円堂で受け止めたけど、あの時本当に心臓止まりかけたんだからな」
『そ、そういえばそんなことありましたね……』
一郎太が言う話は、私達が小学校に入る前の話。
高さがあった木に無理やり登り、ボールを取ろうとしたが滑って地面に落下したことがある。
今になっては言われないと思い出せない程、昔の記憶だ。
「まあ、落ちてきた後に言った言葉が、サッカーやろ、だったのはお前らしかったけどな」
『それ褒めてる？』
「褒めてる褒めてる」
『絶対嘘じゃん…』
自然と昔話に花が咲く。
…そういえば中学生になってから部活も違うし、一朗太と話す機会も少なくなっていたっけ。
『…これからは、仲間としてよろしく！一朗太』
「あぁ！」
子供の頃みたいに、またみんなでサッカーできるのは試合関係なく嬉しい。
私が差し出した手を、一朗太はしっかりと握り返してくれた。
・
『…ねぇ、一朗太』
「ん？」
『もうちょっとさ、練習してかない？』
「…相変わらずだな。いいぜ、付き合うよ」
『やった！よし、河川敷まで競走だ！！よーいドン！』
「おい、ずるいぞ！」
『あはは！ここまでおいでー！』
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作者名：白 | 作成日時：2021年11月7日 20時
