Story 6 ページ27
グチャり…グチャり……と音を経てながら墓穴の中をまさぐるその姿が異様なせいか眉根を寄せて見守っていたのだが
「何やってんだお前。んなもん、まさぐって何かあんのか?」
沈黙に耐えられなかったのか気持ちの悪いものを見るかのようにそう聞く男。声音を聞くからに少しだけ引いてるように思える。言わずもがな、Aは引いている
そんな男の問の間にも響くまさぐる嫌に響く音。
「なんか見っけたの?」
「…なにか光ってるんだけど…とれない」
穴から出した少女の手の先の方には、変色したなにかがくっついてる
……別に構わないんだけど、気色悪いのに越したことはない
「はぁ?んなもん、こうすればいいだろ」
なにがあるかって思って中を覗こうとすれば押しのけられて、見れない…舌打ちぐらいさせてくれ
「…あ、でも中身が」
「雑だから壊れるだろーね」
さっきとは違う、脆いなにかが壊れるような音が響く。いや、壊れると言うよりも崩れると言った方が適当かもしれない
絶対中にあった腐敗物は無残な形になっているだろう…
「足が外れちゃった」
違うなにかも取れそうだよな、つか取れたわ。
何故何故か投げ渡された、それを受け取ると何にも例えがたい異臭に包まれるそれは、鍵だった。小さく書かれてる文字は……あー、これなんて読むんだ?
「保存室……こっちだと思うんだけど」
さっき見っけたな、多分
思い当たる扉の鍵穴に挿してひねると、なんの抵抗もなしにカチャリと音を鳴らして回る
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