Story 4 ページ25
二人の後を追うと先程よりも薄暗い開けた場所には、ズラリと石が並んでる。場所が場所だからかそれがこの場の気味の悪さを一層引き出させていた
近付いて見てみると、一つの石にいくつかの名前が書かれいて一層死臭が強くなったことから……
「墓場、か」
「あぁ?どうりで土臭ぇわけだ」
少し作りは雑な形のものだがどう見てもそれらは墓石だった
漂う土の臭さと死臭はこの場に多くの人だったモノが埋められていることを示している。
「………」
黙ってそれらを見つめるレイチェルをAはじっと見つめていた。虚ろ気な目で墓を見つめる少女に何を思うのか、違和感と疑問が浮かんでいる
「レイはさ…」
なんでそんなに死にたいのか
口から出そうになったそんな質問、しかしそれは口から出ることは無かった
「なに…?」
「やっぱ、なんでもない」
意味が無い、そう思ったからだ。利害の一致で一緒にいるだけの存在レイチェルが何を思って死を望むかなんて、最終的には関係ない
ここだけの関係になるであろうそれを知る必要はなかった。しかもAはそれを聞いても理解ができないだろうと、目をそらした
「掘り起こしてみるか?」
「え…アンタも相当趣味悪いよな」
「あ?ここにこんなモン作るやつが悪ぃんだろ」
黄と黄の目がかち合うと、明らかに片方は唯一包帯でガードされていない目を鋭くさせ片方は包帯が巻かれていない左目を細めて相手を冷たく見つめる
どちらとも無意識のうちに睨み合ってしまう。根本的に合わないのだろうか、先程からずっとこんな感じである
彼女にとってこんなにもムカつくような奴は他にいないと思うし
また、彼にとっても正体不明の人間を受け入れるつもりは無いだろう
お互いがお互いの心の中で疑い、嫌悪しあうのだ
「どっちでも」
「……つまんねー奴だな」
睨み合いのところに抑揚のない、興味が全くないって言ってるみたいな声でそう言われて こうやってるのもバカみたいに思えてくる
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