Story 2 ページ23
たどり着いた先は、B4
前にいたB5とはまた違う空気の場所、前回のフロアは廃病院のような感じの薄暗さと気味悪さがあったがAはなんとも思わなかった
けれども、ここは
「…肌寒いところ」
「まだB4かよ」
レイチェルが言うように
肌寒くて、また違う不気味さを持つフロアだった
彼女はあんまり、好きになれそうにない気がする。
舌打ちを零しながらも悪態をつく男に同意するようにAも溜め息を吐いた
「B4ってことは、まだまだ上があるってことと、また違う奴がフロアのどっかにいるってことか……ダルいな」
「一気に上がりゃぁ良いのによォ…さっさと行くぞ、おい」
少し歩むと、レイチェルが足を止め、水が張ってある所の一点をジッと見つめてる。不審がったAは
「なに見てんの」
「……水の中に何かあるの」
レイチェルに言われ、同じ方向を見れば…薄い影が水中に出来、空気が漏れ出てきているのが目に見えて分かった
なんだ、あれ
「あぁ?なんだよ。何があんだよ」
「影が出来てるから、なんかがあるかっては分かるけど、なんだろね」
「……なんだろう、よく分からない」
彼女にもレイチェルにも分からないそれはなんなのだろうか。
「わかんねーのかよ。じゃあ俺もわかんねーよ!」
考えることがあまり得意ではない男はそう怒鳴ると呆れたような顔をする、レイチェルは無表情にそれを見返すが一方Aはそれを呆れたように見ている
最初に見た時の人間臭さ溢れる表情はどうしてしまったのだろうか
「そう…」
「……もう少し考えるってこと覚えたら?」
そんな呆れたような顔をする彼女の足を男は無言で蹴る
それをされた彼女は男を睨み、男もまたそうする
目には見えないが火花がバチバチとったような気がした
イラつくよね、流石にそれを態度に出す程じゃないけどさ。そう考えてみるとすぐ行動に出すコイツは精神年齢が低いってこと?
とでも言ったように、目の前にいる男を見上げて嫌悪感というよりも呆れを出すAと
ふざけたこと抜かすんじゃねぇ、とでも言いたげにイラつきと怒りを込めながら見下ろす男は
さぞかし、相性が悪いのだろう
「わかんねーもん見つめてても、仕方ねぇだろうが。
オラ、さっさと行くぞ!」
先に歩いていってしまう男の後ろを女が追いかけてくレイチェルを見つめながら、彼女もそれについて行く
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