鎖と殺意の約束【殺戮の天使】 (ページ21)

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Story 21 ページ21

壁に寄りかかり二人の会話が終わるのを待っていたAの顔がふと上がった、その視線の先には

男が同じく彼女に視線を向けていた。不審なものでも見るようなそれは不快に感じさせる、好ましいものではない

……まあ、全部好きじゃないんだけど。

内心毒づくがそんな思いは届くことは無い

「あと、コイツはなんだよ？ついてくんのか」
「…うん、Aもあなたと同じ約束をしてくれたの」

刺さるような視線がぶつかって、また興味なさげにそらされる
嗚呼、なにもかもムカついてくる

……殺したいよ
明確な殺意が、確かにあるのだ
だけど今はこの男にナイフを突き立てる気は全くもってないのだ

「おい。下手な真似はするなよ。
あと、はしゃぐんじゃねーぞ。俺さぁ、幸せそうな奴とか、嬉しそうにしてる奴を見るとよ………つい、殺しちまう」

喜怒哀楽の喜と楽に反応する、世を騒がせた連続殺人鬼

「わかった…」

殺しを求める、つまらない顔の少女

「そっちこそ、殺意の籠った顔向けんじゃないよ
自分はそういうやつを、どうしようもなく殺したくなんだ」

殺意に反応する、復讐のためだけに上を目指す殺人鬼

先が思いやられるが、なんとかなるだろうか

「ンなもん知らねぇよ！……まぁ、テメェの死んだ目じゃあ、その心配はいらねーか。でも、テメェは別か？」
「あ？そりゃこっちのセリフ」

……無事を願おう

彼女達は、上に行くためにエレベーターに乗り込んだ。
これから始まる、

約束と狂気。