続き ページ5
オオカミ様が、ドレスのスカートをギュッと握る。
リオン「日本で卒業すらさせてくれなかった。勉強不足での留学だったから、友達もできなくて…クリスマスの日、母さんが来て。他のみんなは親と一緒に家に帰ってたからもしかして、って期待した。でも母さんは、ケーキだけ焼いて帰ってった。年末年始くらい帰ろうとも言ってくれなかったんだよ…」
オオカミさまは黙っていた。
しかし、肩が小刻みに震えている。
リオン「でも母さんは聞いてくれた。『日本に帰りたいとは思わない？』って。だからオレの才能を伸ばしたかったのは本当だったのかもしれない。『本当は日本に帰りたい』って言ったら、母さんが泣いて謝ってた。母さんは、ちゃんとオレを気にしててくれたんだって、思えた。今まで耐えれてよかった。ここがなきゃ、オレはもういなかったかもしれない。」
いなかった、それは、この世に、という事をみんなは理解し、驚いてリオンを見た。
リオンは、オオカミさまだけを見ている。
リオン「姉ちゃん、死んでから残された力を使ってここを作ったのかと思った。でも、違うんでしょ？姉ちゃんは、病室で、六歳のオレと一緒にいるんでしょ？最後の一年、姉ちゃんは眠ってばかりだった。そのとき、ここに来てたんだろ…」
涙は止まらず、ポロポロと目から頬へ、流れていく。
リオン「姉ちゃん、最後の一年、オレたちと一緒に過ごしてたんだね」
オオカミさまはさらに俯いた。
お面の下から、水が1滴、落ちる。
リオン「会いに来てくれたんだろ…」
泣いて、でも伝えたくて、悲しくて、充分にリオンはいえなかった。
リオン「姉ちゃん、死ぬ前にオレに『理音、怖がらせてごめんね、だけど楽しかった』って言ってただろ？あれ、最初は死ぬことを言ってるのかと思ってた。でも、姉ちゃんは今、このことを言ってるんじゃないの？オオカミさまとして、ルールを破ったらオオカミに食われるなんて言って、怖がらせてごめんねって…」
オオカミさま「…」
リオン「オレ、日本に帰るよ。雪科第五に通う」
それを聞き、こころは目を見開いた。
リオンとこころは同い年。
一緒に、通えるのだろうか…
こころが夢見た、こころと友達の転校生。
リオン「オレ、ここで姉ちゃんと会えてよかった。」
「─────わたしも。」
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薫 - おむらいすさん» えええ！wR-18！？wでも2人めちゃくちゃ純粋ですよね〜w (2023年1月29日 12時) (
レス) id: 8275eba058 (このIDを非表示/違反報告)
おむらいす - 純粋すぎる…いっつも🔞見てる自分がやばく見えてきた…^ ^ (2023年1月28日 6時) (レス) @page10 id: cd59066084 (このIDを非表示/違反報告)
おむらいす - リオンくんとフウカちゃん…純粋すぎる… (2023年1月25日 7時) (レス) id: cd59066084 (このIDを非表示/違反報告)
薫 - くるみさん» えええ、ありがとうございます！！嬉しいです！ (2023年1月23日 23時) (レス) @page7 id: ca60f6a2c9 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - リオンくんかわわ、、😭こういう城の中学生らしい日常みたいなのめちゃくちゃ好きです……！楽しく拝見しております執筆頑張ってください応援しています！！ (2023年1月22日 22時) (レス) id: 211683a570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫 | 作成日時：2023年1月14日 17時
