探偵社の東西ヘタレはハンター試験を受ける様です

第一次試験・8 ページ10

暫く走り続けていると、視界が白く霞み始めた。
「霧だ……敦君、はぐれないように気を付けよう」
「はい」
谷崎さんは、服や髪の色が明るいのでちゃんと見えると思っていたけれど……霧が深くなるにつれて、そんな事も云えなくなって来た。
すると、
「───ッ！」
「如何したの、敦君？」
背筋が震え、冷や汗が流れる。
僕と谷崎さんの後ろ……ヒソカの居る辺りから、尋常じゃない程の殺気が放たれている。
「…谷崎さん、もっと前に行きましょう。
……殺気を感じます」
「！！」
僕と谷崎さんが前に行こうとすると、突然、周囲から悲鳴が上がり、血の匂いが漂ってきた。
「谷崎さん…！」
「多分、途中の集団が別方向に誘導されたンだ……敦君、お互いに離れないようにしよう」
「はい！」
すると、
「ってえーー！！」
聞き覚えのある声の悲鳴が聞こえてきた。
此の声は……
「レオリオさん…！！」
見れば、倒れている周囲の人々に手札が突き刺さり、レオリオさんの肩にも、一枚突き刺さっていた。
谷崎さんに向かって手札が飛んで来る。
「谷崎さん！
うっ…！」
思わず谷崎さんを突き飛ばしてしまった。
脚に手札が刺さる。
手札を投げたのは……ヒソカ。
「敦君、大丈夫！？」
「は、はい！」
谷崎さんは無事だったみたいだ。
手札を抜くと、直ぐに傷が癒えはじめた。
「如何云う心算だ！」
「てめェ！！何をしやがる！！」
僕とレオリオさんが同時に叫ぶ。
「くくく♦
試験官ごっこ♥」
ヒソカが、不気味に笑いながらそう云った。

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