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Aside

病院に行ってからというもの、毎回書いてたこのノートが

自分が『変』だという証にしか見えなくて

慎「もうやめて」

なのに1枚、1枚、破る度に、罪悪感に押しつぶさそうで

「……いら、ないこんなっ…の」

具合が悪くなったのか、薬を持って降りてきたまこっちゃんが私の手を止めた

慎「いる」

取り上げられたノートは彼の手に渡り、
その彼は破ったノートを、テープで直し始めた

慎「変じゃないよ、」

どうして関係ないのに、涙目になるほど親身になってくれるんだろうか

慎「変じゃない」

「まこっちゃんは、いい子だね笑」

慎「……自分の名前が聞こえた時、出ていく勇気なくてごめん」

慎「樹さん、勘違いしてる」

「だって髪が抜けたとか言いたくないじゃん」

「女子だもん、笑」

慎「別れなくても、いいと思う」

「だって私いっちゃん好きだもん」

「カッコイイいっちゃんが好き」

「かっこよくない時の方がレアかもしれないけど」

「いっちゃんのマイナスになるような存在になりたくないもん」

「……わかる？笑」

かっこよくない、彼は好きじゃない
私に振り回される彼が好きじゃない

「藤原樹くんは超カッコイイ」

慎「カッコイイね」

「独り占めしたいけどみんなのいっちゃん」

慎「だから、？」

「かっこいいみんなのいっちゃんに、バカな彼女はいらないと思う」

慎「泣くならそんなこと言わないで」

慎「樹さんの前ではもっと言わないで欲しい」

まこっちゃんは何に対して怒ってるんだろう

「……わかんないか、私が考えてること」

慎「わからない」

「……ですよね」

いびつに繋ぎ止められたノート
私みたいだった

「今日のことはみんなには内緒だよ」