ALL DAY 2

ALL DAY ページ46

樹side









樹「入っていい？入るけど」






Aが帰ってきた日の夜、用があってAの部屋へ






「謝罪ですか」






樹「ちがう笑」







「今さら機嫌を取ろうたって…」







樹「ちゃんと寂しかったよ」









あまりにも不貞腐れた顔をするからここらで正直なこと言っとこうかと思って







そしてどんどんキラキラしてく顔。笑









「いっちゃん大好き」









樹「知ってる」









陣さんのものらしき漫画がAのもののように綺麗に並べてある部屋









樹「このまま帰ってこなかったらどうしようってちょっと考えてた」







「え？まさか〜笑」








樹「って俺も思ったけど、いずれそうなるんだよなぁと思って。家に帰ってもAも、他のみんなもいない」








「……泣くよ」







樹「ちょっと考えてみただけだってば笑」







忙しかった日々の中で、この共同生活が終わる時のことを考えた







樹「寂しいよね」









不安になるのが自分だけじゃ無いことを確かめたくて








「悲しい」




「でも最後に出ていくのは私だよ」









樹「なんで最後？笑」









「行ってらっしゃいとおかえり言うの私の仕事だから笑」








もしもこの子がこの子じゃなかったら
ここにいる全員、こんなにAに依存することはなかった








樹「Aに行ってらっしゃいって言うのは誰？笑」








「私は行かないもん。この家は出ていくかもしれないけど、バラバラになってそれでもみんなが会いに来てくれたらおかえりーって言う。久しぶり！も言う。笑」









何をどうすればこんな子に育つんだろう







樹「会いにいく」



「きてきて」



樹「会いに来て」



「それはー…離れたら久びさに会うのとか照れるじゃん？笑」



樹「Aそんな感じする」









連絡減るんだろうなーって予想はつく









「よくも寂しい気持ちにしてくれたな!!」









樹「ごめん、もう寝ていいよ」





「悪い夢見そうだ」






樹「何言ってんの？寝る前に俺見たんだよ？そんなわけないじゃん」






「これだからイケメンは。笑」






樹「おやすみ笑」






「おやすみーっ」









『おはよう』『行ってらっしゃい』『おかえり』『おやすみ』っていい言葉。ってずっと前にニコニコしながらAが言ってた理由がようやくわかった気がした

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