33 ページ33
DN「今回は僕の勝ちですね」
目の前で立ち止まり最後の一撃を入れようとしているチャニ
痺れて動けない私はただそれを見上げることしか出来ない
ふっ、と小さく笑ったチャニが手に力を込める
この子今鼻で笑ったな？
「鼻で笑われると……」
DN「？」
「………ヌナ傷ついちゃうな！！」
チャニの気が逸れた一瞬の隙をついて痺れが治まってきた片手を使い氷を飛ばす
しかし完全に痺れが治まっていなかったせいだろうか
射程距離が短く足首を狙ったはずが大幅にズレて床を掠った
そして痺れに耐えきれず顔を伏せた瞬間
DN「ゔっ」
チャニが太ももを抑えながらしりもちをつくように後ろへ倒れ込むのが視界の端に映る
床に当たったはずじゃ？と思い床を確認すると氷の形跡はある、でも明らかに量が足りない
私が出した氷はもっと量が多かった
周りを確認してみると赤く染った氷の破片がチャニの後ろの方に転がっていた
跳ね返りでもしてそれが足に当たってしまったのだろうか
だとしたらチャニの手が赤く染まっているのにも納得がいく
DN「降参です」
太ももの痛みからか唸り声を上げながら両手を上げたチャニ
DN「いったぁ」
「結構酷い……」
まだ少し痺れが残っていて動く度に体がピリピリと痛むが我慢してチャニの元へ行き傷口を確認してみるとかなり出血していた
治癒魔法が使えたらいいんだけど生憎私は氷魔法しか使えない
治癒魔法が使えるジフナか薬の調合ができるスングァニでも呼んでおけばよかったかな
そんなことを考えている間もチャニの太ももからの出血は止まらない
なにか止血に使える物は………
「あっ」
今手元にある物ですぐにできる止血方法は圧迫止血
「使ってないタオルだからね」
学生時代よく怪我をして帰ってくる私を見た母から口酸っぱく言われたせいか普段からビニール袋にタオルを入れて持ち歩くのが癖になっていた
正直邪魔だなぁなんて思ってたけど役に立つ日が来るとは思わなかったな、ありがとうお母さん
取り敢えず圧迫止血はした、でもこれは応急処置でしかない
これからどうしようか迷っていると
SC「ここは俺の出番かな？」
DN「ヒョン…？」
「あれ、スンチョルさん」
壁にもたれかかってこちらに手を振っているスンチョルさんがいた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 674人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kazunoko(プロフ) - すごく続きが読みたくなるお話でした！！これからの更新を楽しみにしています！ (9月22日 22時) (
レス) @page17 id: 38c9d09af9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かえ | 作成日時：2023年9月20日 1時
