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*きっと ページ7

なんとかお兄さんに拳銃を降ろさせる事に成功
今はリビングのソファに座って、おとなしくご飯が出てくるのを待っている

お腹の音が大きく鳴ったのが今でもまだ恥ずかしいのか、顔は下に下げたままで
なんだか小動物に見えてきてちょっと可愛いかも


『はい、できましたよ』


冷蔵庫に残っていたものを簡単に調理してお兄さんの前に出す
が、やっぱりまだ警戒はしているんだろう
じっ…とご飯を見つめたあと、こっちを見た


「…変なもの、入れてないだろうな」


そりゃそうか
知らない人間が作ったご飯なんて信じられないだろう
それも拳銃を持っているような人だ

とはいえお兄さんには早くご飯を食べてもらいたい
お腹を空かせているからって理由も大きいが、1番の理由は早くお兄さんについての質問をしたいからだ


とりあえず、僕が食べればお兄さんも食べるかな?と思ったのでひとくち口に入れて飲み込む

それを見たお兄さんは毒や危険なものは入っていないと判断したのか、ちょっとだけだが口に含んで飲み込んだ


最初はちまちまと食べていたが、気に入ったのかガツガツと一気に食べ始めた
すると急に動かしていた箸を止め、こちらをチラリと見てから小さく「うまい」と呟いた
照れ臭そうにしてからまた食べ進める


「…ごちそうさま」
それからあっという間にお兄さんはご飯を平らげた
正直驚いた
とても細そうな人だったから少食だと勝手に思っていたため、完食したのを見た僕は少しビックリしてしまった

それにしてもすごく綺麗に食べてくれた
これなら洗い物も楽そうだな…と思いながら『お粗末様でした』とお兄さんに向けていう



洗い物を終わらせて、お兄さんのいるリビングに戻る
洗い物をしながらお兄さんに聞く内容を考えては来たけれど、いざ聞くとなるととても緊張してきた…

お兄さんの正面に座り、声をかける


『あの、お兄さんに聞きたいことがあるんですけど…
いいですか?』


言い終わると、“聞いてくるだろうと思った” というような風に 僕の目を見てくる
“早く言え”とでも言うような目線に、僕は口を開く

『お兄さんの 名前を聞いてもいいですか?』

「人に名前を聞くときはまず自分から名乗るって習わなかったのか?」


一瞬で汗が吹き出た
心臓がものすごく早く動いている
怖い 怖い 怖い
それしか考えられなくなる
でもきっと ここで僕の名前を言わなかったらそれこそ次は殺されるだろうそう思って口を開いた

『桐生A、です』

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(プロフ) - もなかもなかじゃんぼさん» 楽しんでいただけているようで何よりです…!更新頑張ります☺️ (2021年11月29日 7時) (レス) id: 44c6090bc2 (このIDを非表示/違反報告)
もなかもなかじゃんぼ - 竜胆メインの男主中々ないのでめっちゃ嬉しいです!更新頑張ってください! (2021年11月23日 15時) (レス) @page7 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年10月26日 19時

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