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*きっと ページ5

その日は、最悪な日だった


いつもはミスしないような書類作業で致命的なミスをして九井にこっぴどく怒られた上、兄ちゃんに笑われた

いつもはしっかり眉間を撃ち抜くのに 今日は眉間を外して薬切れの三途に鼓膜が破れるんじゃないかってぐらい大きな声で文句を言われた

その後単独でユダを始末しに行ったはいいが、手こずった上怪我もした


本当に最悪な日だった


極め付けは始末しに行った帰り、前取引した奴らにしつこく追いかけ回された
どれだけ恨んでんだよ…と呆れながらも捕まったらマズイと思い路地を回りに回って撒いていく


別に殺してしまっても大丈夫だと思うが、現場をサツにでも見つかったら面倒だ

タダでさえ苦労している鶴蝶の苦労を増やしてしまう
そろそろ胃に穴が開くんじゃないかというぐらい苦労している鶴蝶を思いながらどうするか…と考える



何時間経ったんだろう
もう時間も分からないぐらい走った
走って走って走り抜けた

もう追いかけて来ていないのはわかっているが、もしかしたら と思うと走る足は止まらなかった

辺りは真っ暗になっていて 数m間隔で置かれている街頭だけが当たりをぼんやりと照らしている
ここが何処なのかもわからない
まだ安心もできない

だけど 疲労と眠気には勝てなかった





気がつくと、知らない部屋のベッドで寝ていた
まさか捕まった…?
いや、でも捕まったとしたらベッドになんて寝かせない
なんなら無理矢理叩き起こすだろう

なら一体誰が…?

周りに人は誰もいない
拳銃は懐にある


コンコンコン


ドアをノックする音が部屋に響く

俺はドアに向けて拳銃を向ける


ノックしたヤツは俺がまだ寝ていると思ったのか起きているとわかったのか知らないが、ゆっくりゆっくりとドアが音を立てないようにそっと開いて入って来た


『よかった
起きたんです…ね…?』


そこに居たのは、ひょろっとした気弱そうな
ただの男だった

*きっと→←*きっと



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(プロフ) - もなかもなかじゃんぼさん» 楽しんでいただけているようで何よりです…!更新頑張ります☺️ (2021年11月29日 7時) (レス) id: 44c6090bc2 (このIDを非表示/違反報告)
もなかもなかじゃんぼ - 竜胆メインの男主中々ないのでめっちゃ嬉しいです!更新頑張ってください! (2021年11月23日 15時) (レス) @page7 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年10月26日 19時

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