検索窓
今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:17,517 hit

ページ5

今組織に向かってる足が震えた。

彼女を殺して1ヶ月が経ち死体も秘密裏に処理した。
部下には急な事情で退職したと伝えた。動揺を拡げないために。


…2年も隣に置いていた。彼女が組織に渡した情報はなんだ?

俺はなんで今日まで生かされた?



彼女からの信号が途絶えたし、彼女がこの世にもう居ないことは組織にももう分かってる筈だ。

そして、俺が公安だと言うことは組織にもう知れている。

言ったところで良いとこで殺されるか、尋問か。
足が鉛のように重くても歩けば目的地に着いてしまう。


深い溜息を吐いた。


「あら、バーボン」

「…ベルモット」



いつもと変わらない表情に見える。


でも分からない。

あの彼女の演技すら気付けなかった。


最後も唯の少女のように悪態も吐かず、素直に純粋無垢に死んでいった彼女。


言いかけた台詞の続きは何だったのだろうか。


いや、それすらも演技なんだろう。


でも、そんな器用な女だとは思えなかった。
ベルモットなら尚更だ。




「そういえば、あなたエンジェルは知ってるわよね?」



_____来た。


「ええ、ジンの妹ですよね?彼女がどうかしましたか?」



平然を装え、僕と彼女は何の関係もない。
ただ少し話したことがあるのみ。

彼女が話してたのはただの勘違いですよ?



「公安に潜入してたんだけど、連絡が途絶えてるんですって。」


「へぇ…それは残念ですね」


一向にジンが現れない。
まさか、聞いていない?そんなはずない。
まだ泳がすつもりか?



「やっぱり死んでるって考えてるのが筋よね」


ふぅ、と息を吐くベルモットは何時もとは何処かが違っていた。
哀愁、とでも表現すれば良いんだろうか。


「それじゃ、今日の仕事は他から聞いているわよね。まだ時間はあるけど、行きましょうか」

「は、はい。」


本当になんで、何も俺に言及しない?


考えているもベルモットが立ち上がり部屋から足を踏み出したあと、
ゆっくりと僕の方向に振り返って、眉を下げて微笑んだ。




「そういえば、あの子、あなたに恋していたのよ」

。→←最



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (94 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
55人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鬱ネコ(プロフ) - あるとさん» ありがとうございます…!そんなもったいないお言葉…。ありがとうございます (2019年9月18日 22時) (レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
あると(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…。実はずっと好きだった夢主ちゃんと、愛してた事を気付かずに殺してしまった降谷さんの二人がどうしようもなく切なくて…。本当に素敵な作品です。 (2019年6月13日 16時) (レス) id: ea1d837737 (このIDを非表示/違反報告)
鬱ネコ(プロフ) - 紅蓮さん» ありがとうございます…!そんなふうに言ってもらえて本当に嬉しいです…! (2019年4月14日 17時) (レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)
紅蓮 - やばいですね。なんでか、ずっと涙が出るんです。涙が止まら無いんです。 (2019年2月18日 0時) (レス) id: 1d2a9694d8 (このIDを非表示/違反報告)
鬱ネコ(プロフ) - 雪さん» ありがとうございます~!嬉しいです! (2018年12月2日 9時) (レス) id: 61ffaa13af (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鬱ネコ | 作成日時:2018年11月23日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。