検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:4,086 hit

two ページ2

「大丈夫?」


「ありがとうございま・・・・・・」



ありがとうございます、と言おうとした直後彼が大きなくしゃみをした。


一向に治まる気配も無い、しかも周りの視線が痛い。





これはもしかして、風邪引いてるんじゃ・・・・・・





「わ、私の家すぐそこですから!!」



この場所を一刻にも早く退散したいという気持ちで、彼の手を引いて走り出した。









.









*









.









何、何してるの私。





知らない男の人部屋に上げて、シャワーまで貸して・・・・・・



「ねぇー、ここに置いてあるタオル使っていいー?」


「うん、好きなの使って大丈夫っ」





・・・・・・でも、彼の姿が懐かしく感じるのはなぜだろう。


会ってまだ間も無いはずなのに。









そんなことを思っていると、彼が風呂場から出てきた。



「シャワー貸してくれてありがとな!あれ最初どうやってやるのか・・・・・・」



そう言いながら私に近付いてくる男。



しかし、彼の言葉は__









「きゃぁああああっ!!!」





私の絶叫によって遮られた。


それもそのはず。目の前にいるのはイケメンなのだが、彼は衣類を身に着けてなかったのだ。



しかも、こちらは一般的な年頃の女子高生。









き、筋肉が・・・・・・筋肉が・・・・・・





目にしているのは筋肉どころの騒ぎではないのだが


それ以上の現実を受け止める勇気はさすがに無い。





しかも、彼が頭をブルブルするせいで床が若干の水溜りになっている。



「ちゃ、ちゃんと髪拭いて!」



なるべく彼を見ずに言ってみたものの、応答が無い。



恐る恐る彼の方を見ると、頭を(かが)むポーズをしていた。





「じゃあ、拭いて」



甘えているのか、自己中なのかよくわからないが


このままだったら絶対彼は拭かないと確信した私は、仕方なく彼の頭を拭く。









顔を見てみると、彼が微笑んだ表情をしていた。



「・・・・・・嬉しい」


「な、何が?」


「また一緒に居られる様になったから、やっと・・・・・・」





この人精神状態大丈夫なのかな、と少し心配する私。


すると突然、彼は私の手を掴み



「俺、ずっとAとこうするのが一番の夢だった!」









.









その笑顔は、写真立ての向こうの彼によく似ていた。









いや、そんなことは無いはず。だって・・・・・・









.









.









慧は『猫』だもの。

three→←one


Lucky song♪

レインボーキャンディーガール


目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
14人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美恋. | 作者ホームページ:http://twitter.com/kaho0228_  
作成日時:2015年6月30日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。