two ページ2
「大丈夫?」
「ありがとうございま・・・・・・」
ありがとうございます、と言おうとした直後彼が大きなくしゃみをした。
一向に治まる気配も無い、しかも周りの視線が痛い。
これはもしかして、風邪引いてるんじゃ・・・・・・
「わ、私の家すぐそこですから!!」
この場所を一刻にも早く退散したいという気持ちで、彼の手を引いて走り出した。
.
*
.
何、何してるの私。
知らない男の人部屋に上げて、シャワーまで貸して・・・・・・
「ねぇー、ここに置いてあるタオル使っていいー?」
「うん、好きなの使って大丈夫っ」
・・・・・・でも、彼の姿が懐かしく感じるのはなぜだろう。
会ってまだ間も無いはずなのに。
そんなことを思っていると、彼が風呂場から出てきた。
「シャワー貸してくれてありがとな!あれ最初どうやってやるのか・・・・・・」
そう言いながら私に近付いてくる男。
しかし、彼の言葉は__
「きゃぁああああっ!!!」
私の絶叫によって遮られた。
それもそのはず。目の前にいるのはイケメンなのだが、彼は衣類を身に着けてなかったのだ。
しかも、こちらは一般的な年頃の女子高生。
き、筋肉が・・・・・・筋肉が・・・・・・
目にしているのは筋肉どころの騒ぎではないのだが
それ以上の現実を受け止める勇気はさすがに無い。
しかも、彼が頭をブルブルするせいで床が若干の水溜りになっている。
「ちゃ、ちゃんと髪拭いて!」
なるべく彼を見ずに言ってみたものの、応答が無い。
恐る恐る彼の方を見ると、頭を
「じゃあ、拭いて」
甘えているのか、自己中なのかよくわからないが
このままだったら絶対彼は拭かないと確信した私は、仕方なく彼の頭を拭く。
顔を見てみると、彼が微笑んだ表情をしていた。
「・・・・・・嬉しい」
「な、何が?」
「また一緒に居られる様になったから、やっと・・・・・・」
この人精神状態大丈夫なのかな、と少し心配する私。
すると突然、彼は私の手を掴み
「俺、ずっとAとこうするのが一番の夢だった!」
.
その笑顔は、写真立ての向こうの彼によく似ていた。
いや、そんなことは無いはず。だって・・・・・・
.
.
慧は『猫』だもの。
Lucky song♪
レインボーキャンディーガール
14人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美恋. | 作者ホームページ:http://twitter.com/kaho0228_
作成日時:2015年6月30日 18時