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「ここは俺に任せて周辺の人たちを避難させてくれ」

「で、でも」

Aを抱えた諸伏が躊躇すると、松田は前を向いたまま促した


「いいから行け。あと3分だ

ガス漏れとか適当な理由で、このビルの周りから避難させろ」

伊達からライトを貰い、そのまま咥えるとAが『ジンくん』と声を掛けた


『……わかったわ

けど、ジンくん。約束して。



下で待ってるわ』

「...約束はできねえな」

作業に戻る松田を見届け、諸伏はAたちと部屋を出ていった


部屋に1人残った松田は、それぞれピンクと水色の液体が入った2つのタンクに挟まれた空のタンクのカバーを慎重に取り外した

爆破装置のタイマーら1分を切っていた

1本でも間違えたら終わりだ、でもゆっくり考えてる時間はない

残り30秒___

絡み合ったコードを1本ずつ手を取り、慎重に選んでいく
これだ_松田はコードの束を押しのけ、奥にあるコードをパチンと切った


「ふぅ〜、あっぶねぇ」

一気に力が抜けて、がくりと頭を垂れる

だが、ほっと息をついたのも束の間、再びタイマーが着いた

2.1.0とカウンターが進み出した

ビーッ、と警告音が鳴る

「なっ...」


Aたちは階段を下り、周りの人たちを避難させていた

Aは床に下ろしてもらい『ありがとう』と諸伏に声を掛けた

「A、俺たちも離れよう」

『いやよ、ジンくんが危ない事をしている中わたしはここの離れない

わたしだけが安全な場所に居たくない、怪我するなら危ないならわたしだって背負う...』

「ったく」

伊達はAの頭をガシガシと撫でた。その事にAは首だけ振り向いた

「変わらず仲間思いの頑固だなあ」

「Aが残るなら俺たちもここに居るよ

なんたって、元爆処のエースの解体だぞ?何も心配することない」

諸伏も降谷もビルのすぐ近くで待つと言ったのだ



すると階段を下りてくる松田が見えたのだ


『っ...!ジンくん!』

Aは松田が見えた瞬間走り出した

『おかえり』

と松田に抱きつき、松田の体温を感じた

降谷たちが松田に近づいてくるのが見えた

Aは松田から体を離して、5人は手を上げる

パチン、とハイタッチを交わした

「ただいま」



‎✿‎✿✿ ‎


「これが5人揃った最後の日の出来事だ」

降谷の声はどこか寂しげだった

ガラスの向こうにいるAは俯いていてその表情は見えない

22 - ナーダ・ウニチトージティ→←20



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明里香(プロフ) - 見られて閉まったじゃなくて、見られてしまったです。進撃じゃなくて、神経です。 (2022年6月12日 12時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 呼びさしてじゃなくて、指差してです。 (2022年6月12日 12時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
染岡さんの愉快な仲間たち(プロフ) - 6話 蘭ちゃんの蘭が欄になってる (2022年5月17日 20時) (レス) @page7 id: 972de952e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花緑青 | 作成日時:2022年5月14日 18時

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