「好きやで」って言わせたい【S.Seiya】 (ページ13)

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堺市デートページ13

※なにわとAぇの冠番組のネタバレを少しだけ含みます。

「やっぱり、大子ちゃんが一番可愛い……」

小さい画面の中にいる、愛しの子。
片想いしてはや数年。一向に実りません。

「堺市デートしたい…大子ちゃーん!!」
「うるさいわよ！」
そんな声と共に楽屋のドアが開く。
そこに立っていたのは…
「げ、丈子…」
「"げ"って何よ!!」
丈子ちゃんでした。

「なんでここにいるの…と言うか、なんで丈子なの？」
「王様ゲーム。『丈子がAの部屋に行く』やって」
「巻き込み、いい迷惑なんですけど」
「俺やってやりたないわ！」
丈子ちゃんって結構男勝りなんだ。
あと、ブスだよね。

「"藤原丈一郎"が男で本当によかった」
「何に安心してんねん」
「丈くんはかっこいいけど、丈子はブス」
「……ブスは否定できん。けど、バケモノはいっぱいおるで」
そう言って私のスマホを覗き込む。

「和子とか」
「和子はやばいね」
はっすん、本気出したら絶対可愛いのに。
面白いキャラが確立してるんだろう。
「健気な和子」
「何言ってんねん」
すごい顔でこちらを見る丈子ちゃんに、思わず吹いてしまった。
「人の顔見て笑うな、失礼やろ！」
「笑わせてくる丈子が悪い!!」

二人でギャーギャー騒いでいると、
ドアを叩く音がした。
「はーい」
ドアを開けて、そのまま立ち尽くす。
「A…堺市デートせえへん？」
そこには、愛しの大子ちゃんがいた。
「え、大子ちゃん…？え？」
何度瞬きしても、目を擦っても、
目の前には、あの大子ちゃん。

「そんな擦ったら目取れるで」
「あ、コンタクト取れた」
「あほや」
せっかくの大子ちゃんが見えなくなったじゃん！
慌ててしゃがむと、
「これ？」
大子ちゃんが、私のコンタクトを拾ってくれた。
「大子ちゃんまじ好き、結婚しよ」
「いよいよ心配なるで」
丈くんか丈子か知らんけど、隣で何か言ってる人は無視。
大子ちゃんとの時間を邪魔しないでくれ。