「好きやで」って言わせたい【S.Seiya】 (ページ12)

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「安心して、まとくんのほうが距離が近いから」
「何と比べたん？」
大ちゅんが不思議そうに言う。
「そうやな」
納得したまとくんが、ちゅー、と私にキスをしようとする。
「犯罪や」
すかさず丈くんからチョップされた。
「いった！ええやん、おにぃなんやから！」
「やったら俺もええな」
「丈はあかん」
「意味わからへん」
また言い合いが始まった。
私はおにぃたちみんな好きだから、気にしないんだけどな。

「今は、誰のお嫁さんになるのが夢なんですか？」
言い合う二人を遠巻きに眺めながら、正門が聞いてきた。
「んー……誰ももらってくれないなら、まとくんとこ行く」
「もらい手ならその辺におるやろ」
「彼氏いない歴＝年齢に焦ってるのは事実だけど、そんな雑な慰めはいらん」
後輩にいじめられてるんだけど…。そろそろ泣くよ？
「その都市伝説、本物なんですね」
「"都市伝説"」
正門の言葉に、大ちゅんが笑う。
正門は味方だと思ってたのに。
「正門見損なった」
「え、なんでですか!?」

「Aはまとくんのお嫁さんになるもんな？」
「あかん。もっとマシな奴他におるから」
いつの間にか近くにいた二人が、私に言う。
「5年後にもらい手がいなかったら、まとくんとこ行くね」
「いつでも待ってる」
「きもい」

私のためにあと5年間は独身でいてくれるらしいまとくんと
まとくんへの当たりが強い丈くんと
全く後輩感のない大ちゅんと
『彼氏いない歴＝年齢』を"都市伝説"と馬鹿にしてきた正門。
4人としたレッスン前の会話が、今日の私のハイライトだ。

─────
古城「私のこともらってくれていいんだよ？」
正門「んー…遠慮しときます」
古城「なんで!?」
正門「俺の首が飛ぶ(笑)」
古城「誰よ、邪魔してるのは！……もしかしておにぃ？
おにぃ！余計なことしないで!!」
林・藤原「え？」

西畑「意外と鈍いな」
正門「ほんまに」
西畑「あそこまでストレートな言動、現実で見いひんよ」
正門「まだそこまで考えてないんやない？仕事忙しそうやし」
西畑「婚期を逃さんことだけ祈る」
正門「大吾はAちゃんのなんなん？(笑)」