「好きやで」って言わせたい【S.Seiya】 (ページ11)

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しょうらいのゆめページ11

「うっわ、めっちゃ可愛ええやん！」
「やろ？」
「俺もこの時に出会いたかった…」

レッスン室へ入ると、
大ちゅん、丈くん、正門が騒いでいた。

「何やってんの？」
「入りたてのA見ててん」
三人に問いかけたのに、後ろからまとくんの声がそう言った。
「ほんま、ちっさくて可愛かったよなー…あ、今でも小さいか」
「標準だから!!」
人の写真勝手に見せた上に、そんなこと言うのか…。

「この頃に出会ってたら、俺もAちゃんのこと可愛がってました」
と、正門が言う。
「今は？」
「いや…だって先輩ですもん」
正門は、そういうところしっかりしてるよね。
隣の奴を見てみなさい。
「可愛がったらええやん、Aって先輩感ないし」

呼び捨てタメ口、おまけに"先輩感がない"なんて言う大ちゅん。
失礼すぎるだろ！これでも一応先輩だぞ!!

「西畑覚えとけよ」
「A先輩こわぁい」
なんて、棒読みで丈くんの後ろに隠れる。
可愛くてムカつく。

拳を構えた私を宥める正門。
こういうところか、先輩感がないのは。

「こん時のAの夢、可愛かったよなぁ」
懐かしむように言うまとくんの顔は、にやけている。
「『まとくんのおよめさん♡』やで？可愛ない？」
「言わせてただけやん、なあ？」
丈くんが私を見る。
「あの頃は本気で思ってたよ？」
「"あの頃は"」
正門が笑いながら復唱する。

「その割には、よお淳太くんのとこ行っとったけどな」
「ほんまに。まとくん寂しかった…」
丈くんの言葉に、まとくんが泣き真似をした。
「だって、淳太くん好きなんだもん」

かっこいいし優しいし、大人だし。
淳太くんとの距離は
おにぃでもパパでもないし、彼氏でもないし…やっぱり、憧れの先輩。