【d!】八尺の歩幅【企画短編集】 (ページ4)

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【Sha】黒ミサ/白瀬妖ページ4

不快な表現有
凡ゆる存在・倫理等を批判する意図は一切ありません
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黒い十字架が教会の高い天井から無数に下げられ、元より飾られていた十字架達は首から腰からと様々に折られている
聖母マリアの像は腹部分をなんの素材でできたのか…円匙で刺し通されて…首は既にない

不可思議なことにその像は真っ赤に濡れて、近場には同じく真っ赤な聖書が転がる

教会の椅子はボロボロ
飾られていたであろう花も枯れて散らかっている

ただ目の前にある筈の祭壇へ、必死に祈りを捧げる少女は、祭壇に座って詰まらなそうな顔をする…通常の人間にしては長身の男…いや、ギネスなんてものならあり得るのかもしれない

けれど彼は平然とした態度で祭壇に腰掛けている
長い足を組んで、静かに見下ろしている

「どうか、どうかお救いください…っ」

震えた声で助けを乞う少女に、更に眉根を寄せる男は
腰を曲げて彼女を見る

？
「なーぁ、ほらぁ…神様とか胸糞悪い奴らより、俺ん方がええよ？
やって俺は助けて欲しいAをぜーったい助けたげるから！」

バッと細くも逞しいその長い腕が広がるも、少女は懸命にその奥に存在する…とされる神へ祈りを捧げ助けを乞う

シャオロン
「このシャオロン様『に』！…言うてみ？
『たすけてください』って。何文字や？いちにー………8文字？簡単な8文字やん
これだけ言っても伝わらんお馬鹿なAちゃんにも言える8文字や」

東方の国では彼を『八尺様』と呼ぶそうだ
とある結界の役目を担う物を越えることはできない存在だそうだが、彼は教会なんて場所にすらいる
ウィジャボードの様に、こちらの仕様なのかもしれない

コツコツと踵で祭壇を蹴りながら、彼は彼を見つめる少女に優しく真っ黒な笑みを向けた

シャオロン
「ほら、早よ言え
言えばAを育ててくれたシスター？も、返してやるかもしらんよ？」

騙されることのない、ありえない話に耳を傾けるほど少女も子供ではなかった
それにシャオロンは…不満げに舌打ちをして移動

彼女の目の前にしゃがみ込んだ