【d!】八尺の歩幅【企画短編集】 (ページ16)

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【em】優しい怪異/Dear ページ16

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射撃の音、かき氷機を回す音、ジューといい匂いと共に聞こえてくる音、でも何よりも一際大きく聞こえてくるのは祭囃子の音

私は地元の祭りに友達と久々に参加していた

｢A浴衣可愛い〜！あ、元気してた？｣

｢蜷咲┌縺も可愛い！元気だったよ！蜷咲┌縺も元気だった？｣

もちろ〜ん！とぴょんぴょん跳ねる蜷咲┌縺、小動物みたいで可愛い。思わず笑ってしまった

｢そろそろ何か買おう！A絶対にクレープ買うでしょ？昔から最初はクレープ食べてたよね〜｣

｢本当にいつの話してるのさ…｣

何て昔話も挟みながらカランカランと下駄の音を少し響かせる。人が多いせいであまり聞こえないけど、下駄のこの音って良いよね…

｢はいお待ち！チョコスプレークレープとカラースプレーチョコバナナクレープ！｣

有難う御座いますと2人でクレープを受け取り、何処で食べようか？と歩きながら話をしていると足がガクン、となり突っかかってしまった

｢っとと、A大丈夫？｣

｢う、うん、大丈夫……あ！下駄の紐解けてる！｣

足元を見ると、固く結ばれていたはずの下駄の紐が切れていた。これが切れることってあるんだ…

｢花火見ようと思ってたあの神社行く？どうする？｣

｢あー…待って、私たこ焼きとか食べたいから、出来れば食べ物買ってきてから来てくれると嬉しい…｣

任せて！と意気込む彼女に余分にと2500円を手渡し私は人通りが少ない方へ、彼女は人通りしかない方へと歩いた

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