過去と、秘密と、闇と、光と。

＃２０ ページ23

彩ｓｉｄｅ

今日は奈子達、Ｇ教室の外国語授業と、早川先生が出張でいないため、


国語と英語の授業、そして、特別授業として、ビジネスの授業をすることになっている。


計４時間。


午前に、英語、ビジネス、国語。午後に、ドイツ語の授業。


そして今、ドイツ語の授業を終えたところだ。


『じゃあ、今日はここまでね！奈子はもう少し発音の練習をしてくること。
若王子くんは、アルファベットの発音がたまに英語と混ざってるから、もう一度確認してきて。』



早川先生からは、若王子くんはすごく生意気なガキだって聞いてたけど。



「・・・わかっｔ、、りました。
あとで、どこが違うか確認するの、付き合ってくれ、、、もらえますか？」


少し頬を赤くして、そう答える若王子くんからは、特に生意気な感じはしない。



敬語がちょっとできないだけだと思うなぁ。



『それなら、奈子と一緒にやったらいいんじゃないかな。奈子の練習にもなるし。
美織くんに見てもらうといいわ。』



私が教えるより、自分たちで間違いに気づいて、直したほうが覚えられるからね。



そういうと、若王子くんは少し不満そうに頷いた。


「お姉ちゃん、もう立派な先生だね！メガネも似合ってる！」


褒めてくれた奈子の頭を撫でる。


「ほんと？」


「うん！わかりやすいもん！」


「ありがと、奈子！」


実は、色々と勉強のし過ぎで視力が低下して、ここにいるときは卵型の眼鏡を掛けている。



普段はコンタクトだけど。

あ、ちなみにね、若王子くんたちには、名字が違うけど、姉妹だって話してある。
家庭の事情で、複雑だから誰にも言わないでねって口止めも。



「キング、早く始めるぞ！」


若王子くんの声で、奈子は「じゃあね！」と言い残し、美織くんと若王子くんのもとへ向かった。


「じゃ、暇だから俺も付き合ってやるよ。」


火影くんもそこに参加し、私はそれを、微笑ましいような、懐かしくて少し淋しいような、


そんな気持ちで見ていた。

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