検索窓
今日:16 hit、昨日:25 hit、合計:47,097 hit

008 ページ10

·若武side



腹が煮えくり返るほどの怒りを鎮めながら、周囲を見回した。それでも全く収まる気配のないこの思い。
どいつもこいつも同じように感情を抑えようと必死なのがモロに伝わる。



...許さねぇ、許さねぇ、許さねぇッ!!



唇から、拳から、血が出るくらい力を込める。
化け物だか何だか知らねぇけど、ふざけんじゃねぇよ。

何で...何でアーヤたちを狙ったんだッ!
クソッ!!



ガンッと床を思わず殴りながら大きく息を吸った。



...怒りに身を任せていても何もいいことはない。
それよりも、今はこれからどうするのかを決めるのが大切だ。




自分の気持ちに区切りを付けるように パン パンッ と手を叩いた。
重々しい表情を作り、ゆっくりと口を開く。





「...俺は、その化け物を許さない。何がなんでも退治する。そして...アーヤを探す。」





そう言った俺の言葉に大きく頷き、何かを察したように顔を見合わせる仲間ににっと笑ってみせた。




「俺はここを出て、旅に出る。アーヤを探す旅だ。あいつを見つけ出すまで帰ってくる気はない。
もしかしたら一生かかるかもしれない。
でも、それでもいい。

あいつと...また過ごせるなら。」




胸を張って堂々とそう言い、一人一人の顔を見つめた。



お前らは、どうする?



そんな思いを込めて。
すると、全員がふっと不敵に笑い、口を開いた。





「俺も一緒に行く。姫を助けられるならどこにでも。」




「僕も行くよ。アーヤには沢山お世話になったからね。アーヤを助けたいんだ。」




「もちろん行くでしょ。だって俺、心の友だし。」



「俺も行く。お前らといる方が楽しいし、立花も見てるとなんか面白いから。」



「俺も。そもそも若武1人で見つけられるわけねぇし。...そんなバケモン、全部まとめてぶっ潰す。」





各々言いたいように言いながら俺の周りに集まる仲間たちに口角を上げた。




流石、俺の仲間。
そう言うと思ってた。




俺は片手を握り、拳を突き出す。




「...絶対アーヤを見つけるぞ!」


『おう。』




_______






青い空の下、拳を突き合わせ、そう誓ったその日。






俺らは村を出た。




·

009→←007



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (106 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
70人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Lua - とても面白いです!はやく続きが読みたいです! (2021年9月13日 7時) (レス) id: 7cef825e60 (このIDを非表示/違反報告)
ピュア - とても面白いです!続き待ってます (2021年1月24日 8時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 奏さん» ありがとうございます!!更新遅めですが頑張ります! (2020年11月15日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2020年9月14日 17時) (レス) id: faad7bf9c4 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 紅楓さん» ありがとうございます!ちょこちょこ更新出来たらいいなと思っています。頑張ります!! (2020年8月30日 0時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:セダム | 作成日時:2020年6月8日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。