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022【黒木&若武】 ページ24

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ふっと目を覚ました。

視界に入るのは自分の家でも、友達の家でもない、全く知らない家の天井だった。



...どこだ、ここ。



ゆっくりと身体を起こすと、頭部を激しい痛みが襲う。




「痛ッ!?んだこれ。は?」




頭に巻かれた包帯に目を丸くして思わず叫ぶと、ガラリと戸が開き、見知った姿が目に入る。




「ようやくお目覚めか、若武先生。気分はどう?」





一瞬どこか安心したような笑みを見せたものの、すぐにいつもの食えない笑みを浮かべる黒木に軽く首を振る。





「ちょっと頭は痛てぇけど、他は特に何とも。ってか、それよりここどこなんだ?...じゃねぇ!!
おい、あの鬼はどうした!?倒したか!?」





黒木を見たことで思い出した鬼の存在に食い入るようにそう尋ねる。
おい、どうなんだ!? とそんな俺を見て苦笑し、中々答えない黒木に焦れて痛む頭を無視してベッドから降りようとすると、落ち着いてください と聞いた事のない澄んだ声が耳に入った。


明らかに黒木の声ではないそれに、思わず動きを止める。





「大丈夫ですよ、若武和臣くん。鬼は無事倒したので安心してください。」





ひょっこりと黒木の影から現れたのは小柄なとても綺麗な女性。蝶の髪飾りをつけ、ニコニコと笑っている。するりと俺の前に来るとベッドの横にあった椅子に座り、その横に黒木も座ったことを確認すると女の人が口を開いた。





「はじめまして。私はこの屋敷の主の胡蝶しのぶと申します。ここは私の屋敷ですが、怪我人などの手当などもする、言わば病院のようなものです。」




「病院...」




「胡蝶さんは鬼殺隊に所属していて、その中でも最も位の高い "柱" という役職についているそうだ。鬼殺隊はやっぱり他の仕事よりも圧倒的に怪我も多いからこうして治療して下さっているんだって。」







補足するように言った黒木の言葉に頷きかけて、固まった。






...鬼殺隊?
って、鬼殺隊!?え、あの鬼殺隊か!?





思わず胡蝶さんをガン見した。






嘘だろ、この細腕でどうやって鬼なんか倒すんだ!?
しかも、1番位が高いだと!?






俺が唖然呆然としていると、またもやガラリと戸が開いた。





「失礼する!む!少年、目が覚めたか!!それは良かった!」




とんでもない声量でそう言うとにっこりと笑う獅子のような髪のガタイのいい人。そして、ギョロリと大きな目はどこか違う方を向いていて目が合わない。





...誰だ?






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Lua - とても面白いです!はやく続きが読みたいです! (2021年9月13日 7時) (レス) id: 7cef825e60 (このIDを非表示/違反報告)
ピュア - とても面白いです!続き待ってます (2021年1月24日 8時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 奏さん» ありがとうございます!!更新遅めですが頑張ります! (2020年11月15日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2020年9月14日 17時) (レス) id: faad7bf9c4 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 紅楓さん» ありがとうございます!ちょこちょこ更新出来たらいいなと思っています。頑張ります!! (2020年8月30日 0時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セダム | 作成日時:2020年6月8日 23時

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