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015【黒木&若武】 ページ17

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ズンッと...妙な音が突然辺りから響き渡った。


それに眉間に皺を寄せ、2人は見つめ合い、周囲を素早く警戒する。と、同時に地面が大きく揺れ、裂け始めたかと思えば、そこから無数の手が伸びてきた。

その手は真っ直ぐ若武に向かう。



「...若武ッ!!」



黒木の声に咄嗟に飛び上がって身体を捻り、その手を躱す。ヒュんっと自分の身体に掠ったその手に背筋をヒヤリと冷たい汗が流れた。

それでも何とか地面に着地しようとした、その時。

また新たな手が若武に襲いかかり、その足首を掴まれ、グ受身をとる間もなくそのまま頭を地面に強かに打ちつけられた。


その衝撃に脳震盪を起こしたのか、視界が白い靄がかったようにボヤけて見える。




やっべ...




朦朧とする頭の中、それでも何とか起き上がろうとするも、相手がその隙を見逃すわけもなく、地面から伸びる手が手足と胴に絡みついた。

グッと強く締め付けるその手に小さく呻く。



そんな若武を見て、自分の方に絡みつこうとする手を何とか斬り、しつこく伸びてくる手を避けながら、黒木が若武を助けに向かった。


だが、それよりも相手の方が動きが早い。

動けない若武を閉じ込めるように何十もの手が若武の上に覆いかぶさり、もうダメかと黒木が顔を歪ませたその時。


ふっ...と何かが黒木の前を横切った。




ヒラリとまるで炎のような羽織が軽やかにはためかせ、黄色と赤色という華やかな配色をした獅子のような髪を靡かせる男。




そいつが目にもとまらぬ速さで動いたその男は瞬きひとつする間に若武を覆っていた手を全て吹き飛ばした。





...ッ速い。




その速さに黒木は思わず呆然と立ち尽くした。





一体、何なんだあの人は。
人間とは思えない...




そうしている間にもその男はそのまま本体の頸もその刀で斬っていく。鬼は悲鳴をあげながら、見る見る間に形を崩し、まるで砂のように舞い上がって消えた。





......灰、だ。
あいつ、灰になって消えたんだ。




灰になって消えた...ということはこの人、まさか...





くるりとこちらを振り向いて男は笑った。






「俺が来るまでよく耐えたな!偉いぞ、少年!」






若武の様子を確認した後、動けずにいた黒木に近寄り、その艶やかな黒髪を大きな、温かな手でわしゃわしゃと撫でるその男。






...これが、彼らとまるで炎のように熱く、包み込むような優しさを持つこの男___ 炎柱 煉獄杏寿郎との出会いであった。







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Lua - とても面白いです!はやく続きが読みたいです! (2021年9月13日 7時) (レス) id: 7cef825e60 (このIDを非表示/違反報告)
ピュア - とても面白いです!続き待ってます (2021年1月24日 8時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 奏さん» ありがとうございます!!更新遅めですが頑張ります! (2020年11月15日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2020年9月14日 17時) (レス) id: faad7bf9c4 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 紅楓さん» ありがとうございます!ちょこちょこ更新出来たらいいなと思っています。頑張ります!! (2020年8月30日 0時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セダム | 作成日時:2020年6月8日 23時

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