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013 ページ15

若武side



「2人1組に分かれるぞ。
組み合わせは俺と黒木、上杉と小塚、美門と七鬼だ。必ずバラバラに行動せず、2人で動くこと。

あと、居場所が決まるまではアーヤの家に手紙を送り、やり取りをする。
1ヶ月に1度は絶対にアーヤの家に行き、情報を共有するんだ。」




そう言った俺の言葉に軽く顔を顰めながら頷く。



まぁ、確かに面倒だとは俺も思うけれど、仕方ない。だって行くあてもねぇんだから。




「...でも、やっぱりちょっと寂しくなるね。」





ぽつりと呟いた小塚の言葉に開きかけていた全員が口を噤んだ。



気づいたら隣にいたこいつら。

誰かが風邪を引いても毎日見舞いに行っていたし、喧嘩しても次の日にはそんなこと水に流して遊んでた。



それがまさか...こんなことになるなんてな。



思わず1つ溜息を零しているとそんな重い空気を消すように美門が軽く微笑む。




「まあ確かにね。でも...大丈夫でしょ。俺らなら。」



「ん。さっさと立花見つけてまた会おうぜ。」




それに同調するように七鬼がにっこり笑うのを見てハッと我に返った。




「あぁ、そうだな!俺らなら絶対出来る。
アーヤも無事見つけられるし、すぐにまた会えるぜ。

なぜなら俺の勘がそう言っている!!」



にっと笑いながら、バチりと片目を閉じて親指で自分を指し示していると、上杉がゲンナリとした表情になる。



「お前それ...何の根拠もねぇじゃん。全然安心できねぇんだけど。」




顔を顰め、頭を抑える上杉の肩を笑いながら黒木が叩く。




「確かに根拠も何もないけれど若武先生の勘はよく当たる。信じてみるのもありだと俺は思うよ。」




ふっと艶やかな笑みを浮かべ上杉の顔を覗き込んだ。
それにツンっとそっぽを向く上杉たちを見て、俺はコホンと軽く咳払いをする。
そして、注目が集まったところで、気分良くなりつつ、俺は重々しく口を開いた。





「諸君。どんなに遠く離れていてもお前らには俺らがいる。俺らは仲間だ。
何かあったらすぐに相談しろ。


互いに支え合い、1人はみんなのために、みんなは1人のために動く。


どんなことがあってもお前らは1人ではない。



...俺らの目的はアーヤを見つけ出し、また一緒に過ごすこと。


それをしっかり頭に叩き込め!それだけは絶対、見失うな。」




分かったな?と真っ直ぐに見つめると顔を見合わせ大きく頷いたあいつら。

それを見てふっと笑う。





「絶対アーヤを見つけるぞ!!...解散!!」





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Lua - とても面白いです!はやく続きが読みたいです! (2021年9月13日 7時) (レス) id: 7cef825e60 (このIDを非表示/違反報告)
ピュア - とても面白いです!続き待ってます (2021年1月24日 8時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 奏さん» ありがとうございます!!更新遅めですが頑張ります! (2020年11月15日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白いです。これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2020年9月14日 17時) (レス) id: faad7bf9c4 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 紅楓さん» ありがとうございます!ちょこちょこ更新出来たらいいなと思っています。頑張ります!! (2020年8月30日 0時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セダム | 作成日時:2020年6月8日 23時

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