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上杉side
「で?これからどうすんの?」
軽い荷物を背負い、歩きながら隣にいる若武に尋ねるとギクリと固まる。
それに思わず眉を寄せた。
「まさか...何にも考えてねぇとか言わねぇよな?」
「な...そんなわけないだろ!!...とりあえず、隣村まで行ってみようぜ。そこで聞き込みな!」
視線をさ迷わせ、明らかに今思いついたことを口にしただけの若武にげんなりする。
本当に大丈夫かよ、こいつの言うこと聞いといて。
そんな俺の様子に黒木がクスッといつもの大人びた笑みを浮かべ、肩を組む。
「まあまあ。若武は持ってるからな。一緒にいれば何とかなるさ。」
「本当かよ...」
「たしかに若武といると何だかいいことあるもんね。」
「大抵勘で突っ走るのにな。」
「ま、その分、失敗した時はデカいけど。」
ニヤニヤと笑いながら乗っかってくる七鬼たちに 重ぇ と振り払っていると、ふと美門が顔を上げ、スンッと匂いを嗅いだ。
「あ〜、これ、来るかも。」
ぽつりとそう呟いた美門に どした? と問いかけると、空を指さす。
そこには先程まではなかった大きな雲に覆われていた。
これ...
「巻雲だ...一雨くるかも。」
小塚の言葉にうげっと顔を顰める。
巻雲はよく春と秋の空、風が強い日に出やすい。んでもって、天気が崩れる前兆。
あ...やべ、俺傘忘れた。
「お前ら...傘もってきたか?」
若武の言葉に全員沈黙した。
...全員、忘れたのかよ。こんなに人数いんのに?
おいおい、嘘だろ。いや、俺も人のこと言えねぇけどさ。
「どーする?こんな田んぼしかねぇ場所で降られても困るぜ?一旦戻っか?」
「え〜、戻んのかよ。折角ここまで来たのに。」
「いや、やめた方がいい。戻るにしても遠すぎる。」
そんなやり取りをしているとポツリと頬に水滴が当たる。
「降ってきやがった。」
チッと舌打ちしていると、どんどん雨は勢いを増して降ってくる。
うわっ、大雨じゃん。
「とりあえず走れ!」
若武の声を合図に一斉に駆け出す。
...クソ、小塚、荷物寄こせ!!
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Lua - とても面白いです!はやく続きが読みたいです! (2021年9月13日 7時) (レス) id: 7cef825e60 (このIDを非表示/違反報告)
ピュア - とても面白いです!続き待ってます (2021年1月24日 8時) (レス) id: 75738b8618 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 奏さん» ありがとうございます!!更新遅めですが頑張ります! (2020年11月15日 19時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - とても面白いです。これからも更新頑張ってください。応援してます。 (2020年9月14日 17時) (レス) id: faad7bf9c4 (このIDを非表示/違反報告)
セダム(プロフ) - 紅楓さん» ありがとうございます!ちょこちょこ更新出来たらいいなと思っています。頑張ります!! (2020年8月30日 0時) (レス) id: 188dd23746 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セダム | 作成日時:2020年6月8日 23時