幸せが40個 ページ43
A「じゃあ、探しますか…」
凶「嫌五がどこまで逃げられるか見物だな」
廊下にはセンサーやカメラがあるが、兄弟の部屋にはないため、一部屋ずつ確認しながら退路を断っていくことにした。
A「私の部屋に生体反応はないみたい」
凶「すごいな、資料の量」
A「うん、最近は調べものばかりしてるからね」
凶「そうか…」
そのあとも、兄弟達の部屋を訪れ、嫌五が居ないか確認していったが、見つからないままだった。
A「結構回ったねー。もう外に逃げたのかな…」
凶「それはないな。俺たちがいる限りは脱出は無理だ。そして、嫌五は面倒事よりも退屈が嫌いなんだ。隠れることにはもう飽きている筈だ。
そろそろシビレを切らしてしょうもないことを仕掛けてくるのに決まっている」
A「しょうもないことって…」
目線がした。そこには絵画に化けている嫌五がいた。
A「！嫌五…！」
嫌「あーやっと気付いてくれた♡ずっと隠れてるだけじゃつまんねーし。さー鬼ごっこスタートだ！！」
A「待ちなさい！」
逃げる嫌五を追いかける。ちょこまかと逃げるため、正直に言うとイラっとする。
A「！？きゃっ！？」
凶「A！？大丈夫か！？」
A「額縁投げられた…！そこの隠し通路に…！」
凶一郎は隠し通路を確認し、「仕方ないから、嫌五の部屋に行って資料を探そう」とAに提案した。
凶「じゃあ、先にどうぞ」
A「あ、うん。ありがとう」
Aが部屋に入ろうとしたその時。
凶「惜しかったな、嫌五」
Aの手首に手錠をかけた。
A「えっ…！？何言って…」
凶「堪忍しろ。俺たちがいる限り屋敷からの脱出は不可能。だから、そのきっかけを作ろうと、下手な変装で誘いだし、Aにすり替わり脱走したと見せた。あとは、隙を見て逃げ出すつもりだったのだろう？
ちなみに、Aはそんなそっけない返しはしない。必ず「ありがとう、凶一郎」と言ってくれる。お前の変装は大変素晴らしいが、俺たち夫婦を見るのはもう少し頑張ることだな」
嫌「やれやれ、負けちゃった。やっぱ、兄貴には勝てねーな」
こうして、夜桜屋敷の鬼ごっこは幕を閉じたのだった。
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クラゲ - おぉ！すごいです！私、君の敬語が抜けるまでっていう小説書いてるんですけど(最近最新停止中)よかったら見てください！ (2023年3月24日 20時) (
レス) @page4 id: 772f111aa6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Yuma | 作成日時：2023年3月16日 10時
