俺の妻がイケメン過ぎるby凶一郎 (ページ29)

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幸せが28個ページ29

とある昼下がり。凶一郎は紅茶を飲みながら週刊スパイを読んでいた。

そこである記事が凶一郎の目に留まった。

《スパイは危険で自由も少ない超激務！でも、仕事にかまけてパートナーをおざなりにしてませんか？

事実、スパイ夫婦の離婚原因の９割は「働きすぎによるすれ違い」です》

それを見て凶一郎は飲んでいた紅茶を吹き出した。そばにいたAはそれを見て吃驚する。

A「だ、大丈夫？」

凶「だ、大丈夫だ…」

A「ならいいんだけど…」

むせこみながらも返事をする。確かに考えると、いつも学校や任務でばかりで最近かまってあげられていない。今日、デートに行こうと誘ったが、「最近働き詰めだったから、お家でゆっくりしよう」とAが気を利かせてくれ、今に至る。

普段から家族のことを気にかけてくれたり、六美がしている家のことまで手伝ってくれている。文句も愚痴も言わずにしてくれているのだ。Aの夫の俺から何かしてあげられないだろうか…。

凶「なあ、A…」

悪くも電話がかかってくる。電話の主は中学の同級生の聖司だ。

凶「何だ、聖司。俺は今すこぶる機嫌が悪い…」

聖『んなの知らねぇよ。まぁいい、お前に頼みがある』

凶一郎「任務の要請か？」

聖『話が早くて助かる。さっき、ちょっと名の知れた密造銃職人を捕まえたんだが、逮捕直前に顧客に商品を渡したらしい』

凶一郎「つまり、そいつ特製の凶器を持ったやつがうろついていると…そういうことだな？」

聖『そういうことだ。犯人の情報は皆無だが、潜伏先の目星だけはついている。先回りして一般人の安全を確保してくれ』

凶「わかった…。A、任務に行ってくる」

A「わかった、気をつけてね」

凶「ああ」

凶一郎は普段は着ない私服に着替え、現場へ行った。

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