悲しみ ページ6
目を覚ました時、私は蝶屋敷にいた。頭には包帯が巻かれていた
不死川「…起きたかァ」
師範が本を読んでいた。横目で私を見た
不死川「自分を責めるな」
A「…」
不死川「煉獄が死んだのはお前のせいじゃない」
A「でも…私が…私が…むぐ」
口に手を当てられた。師範の方を見ると、悲しそうな顔をしていた
不死川「言うな。それ以上言うな」
ー私が代わりに死んでいればー
そう言おうとした
不死川「強くなりてぇなら、今まで以上に鍛錬は付ける。だが今は怪我を治せ。それが一番の頼みだァ」
A「…」
ポロポロと涙が出てくる。師範は何も言わず、頭を撫でてくれた。私は体を起き上がらせ、師範に抱き着いた。師範は私を抱き返し、背中を摩ってくれた。優しいから、余計涙が出てくる。今は好きなだけ泣いておけということなのだろう
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不死川SIDE
煉獄が死んだ。醜い鬼共は俺が殲滅する。そう決めた。それと同時に、Aの意識も戻さなかった。頭に包帯が巻かれていた。一ヶ月後、Aは目を覚ました。何で自分は生きてる?そんな顔をしていた。今にも泣きそうな顔をしていた。お前が泣くと俺は放っておけないんだよ。だから泣くな。笑え
A「でも…私が…私が…むぐ」
不死川「言うな。それ以上言うな」
私が代わりに死んでいればとか言おうとするな。お前が生きてりゃいいんだよ俺は。煉獄が死んだ事は勿論悲しかった。でも何より、お前が生きていたことが唯一の救いだった
不死川「強くなりてぇなら、今まで以上に鍛錬を付ける。だが今は怪我を治せ。それが一番の頼みだァ」
A「…」
Aはポロポロと涙を流した。俺が頭を撫でると、Aは起き上がり、俺に抱きついてきた。俺は抱きしめ返し、背中を摩った
蝶屋敷に、彼女の泣き声が響いた
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作者名:ニャユズコ | 作成日時:2020年8月1日 16時