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ドアが閉まる音、鍵をかける音が聞こえ、今度はスリッパの音が近づいてくる。
カチャ・・・
「ただいま・・・・・・っえ、ゆ、う・・・?ど、どうしたんだ!?」
「みな・・・((ボロッ」
「ちょ、おい!・・・ティッシュ!ほら、拭いて?・・・・・・なんで、泣いてんの?」
そう言って水斗は、ソファに座る優羽の目線に合わせてしゃがむ。
そんな優しさでさえも、今の優羽には逆効果だとも知らずに。
「・・・グスッ・・・言えない。」
「・・・は?」
「言えない。・・・言ったら、きっと僕の事が面倒くさくなって、嫌いになっちゃう、から・・・。水斗に、嫌われるから・・・迷惑だから・・・・・・っ、言わ、ないっ((ボロボロ」
申し訳ない気持ちと、水斗の痛いほどの優しさが、優羽を追い詰める。
「・・・俺に迷惑かけるようなこと考えて、泣いてたの?」
「ぐす・・・」
コクリと頷く優羽を見て、水斗はふっと微笑んだ。
「なに?」
「っ・・・だから」
「優羽!」
ビクッと優羽の身体がこわばる。
「優羽。俺は、優羽を嫌ったりしない。約束するから。だから話して?」
水斗は、子供をあやすような優しい声で、泣きじゃくる優羽を落ち着かせる。
最初は嫌がって抵抗していた優羽も、その優しさについに折れ、少しずつ話し始めた。
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作者名:紅月 | 作成日時:2019年6月9日 10時