第二十四話「事件ですよ、みんな集合!」 ページ25
「事件ですよAさん。」
「でえ。」
ニッコリ、いつも通りの表情で私に「だからなんだ。」と興味の無い情報を私に投付ける条野さん。またも死ぬかもしれないという私の脳内の危機察知能力が彼に全力でブザーを鳴らしていた。
「ところで、Aさん。」
「…はい。」
ズン、と鼻先僅か3センチまで距離を詰めてきて、こう言う。
「是非、私達を助けてくれませんか?」
「また会ったな!」
「…わぁ。あの時の…。」
軍服の制服を着た四人が私をまじまじと見詰める。この間の幼女と条野さん。と、後は初対面の男性二人。イカつい顔をした見た目四十代の男性と、条野さんと近そうな年代の黒髪の外ハネの男性。なんか目の下に桜の刺青?みたいなの入れてるし。完全に見た目が皆コスプレである。
「ほぉ!良い女じゃないか条野!!」
バシバシと私の背中を容赦なくイカつい男性が叩く。痛い止めて。私は彼を睨むと「おお怖い。こりゃあうってつけの人材じゃないか。」と言う。
「…うってつけ?」
「今回の仕事は異能生命体の討伐。」
「いのうせいめいたい。」
黒髪男性が口を開き呟く。またも私の知らない世界の話が投げ付けられるが、面倒臭いというのはよく分かる。
「討伐対象は若い女、気の強い綺麗な面の女が好みでな。」
その一つの情報に背筋が凍るような悪寒が私を襲う。兎に角「いのうせいめいたい」は分からないが絶対に今すぐ逃げた方が良いと頭の中で警告音が流れる。
「君には餌になって欲しい。」
「あへえ。」
ガッツリと胴体を捕まれイカつい男性に担がれる。そして私は此処から逃げられない事を悟る。
「作戦は、異能生命体北方謙三『達』が居るであろう新港中央広場に彼女、中本Aを突入します。一般人が大勢居る時間帯に彼等は新たな仲間を増やす為にひと握りの群れで行動します。
此処で、彼等の能力のおさらいをします。
北方謙三、異能力『擬態』。彼は多勢で無勢。本体は人間を辞めたスライム状の異能生命体。彼は触れた人間を自分と同じスライム状にし意志を消させ人間の外見へ擬態させ、下僕にします。そしてその人間形態の下僕は他の人間へ触れ先程言った行程の繰り返しが始まります。その感染爆発が始まる前に、彼等を叩くのが今回の仕事です。皆さん、頑張りましょう。」
つまり、私は今日スライムになるかもしれないという訳だ。逃げて本読みたい。
第二十五話「恐怖!!命の危険!」→←第二十三話「崇め称えよ私を」
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肉塊(プロフ) - 冬斗さん» わーいありがとうございます〜もっと頭悪い小説にするので何卒〜 (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - そう言っていただいて嬉しいです…!作品いつも楽しく読ませて貰ってます! (2022年7月28日 10時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 冬斗さん» いや草。誤字の指摘、ありがとうございます。あと自信を持って下さい。何回も謝る様な事貴方様言ってませんよ( 'ч' ) (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - なってしまいます。うぅ…文章が長くなってしまいすいません…失礼しました… (2022年7月28日 9時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - すいません…自分なんかが初コメでおこがましいと思いますが、第四十七話の「再会」の最後の方で『あの時は彼が』の後が『鮭の飲み過ぎ』になっていました。恐らく『酒の飲み過ぎ』だと思います。このままでは夢主の中で、条野さんがしゃけを飲んで酔う人に (2022年7月28日 9時) (レス) @page49 id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:肉塊 | 作成日時:2021年9月24日 3時