第二十二話「What if」 ページ23
「そもそも今日は休日だったのですが。」
外の横浜の景色を眺める様に体を傾けながら、ゆっくりと彼は口を開いた。
「最近民間の警察の働きがあまり良くないようで、大勢の犯罪者を逃がしていたようなのですよ。今日逮捕された彼等はまだひと握りでしたが。」
「はあ。」
「まあ、私は休日出勤なんて面倒臭いから決してやらないタチなのですが。突然の逮捕に驚く彼等の心音がとても好ましく。なので心優しい軍警の鏡である私は休日出勤で彼等をお縄に付かせたのです。今回はご協力して頂きありがとうございました。」
何て弄れた動機なのだろうか。条野さんは確かに軍警の『猟犬』という飛んでも部隊に所属しているらしいが、こんな奴が私達の安全を守っていると思うと、なんとも言えない気分になる。
まあ、守ってもらっている分何も言わない方が良いのだろうが。
「ある種のドッキリですね。」
「相手がなんであれ心臓に悪過ぎる。」
「貴女も吃驚しましたよね？私が初めに逮捕した時今迄とは別の興味深い心音をしていたので。真逆本当に私が貴女と逢引すると思ったのですか？」
「本当にクズね。他の女に同じ手口でやってみなさい？背後から包丁で刺されて殺されるわよ？」
「私が一般女性に殺されるとでも？」
確かに私は彼を信用して逢引すると思っていたが、確かに今迄の条野さんとの思い出を遡れば信じずにちゃんと考えておけば良かった。
「でも良かったわ、初めてのデートがこんな逮捕劇なんて嫌だもの。」
「異性と付き合った事が無いので？」
「先ず私が異性と付き合う訳無いじゃない。」
「はいはい、言うと思いましたよ。じゃあ、最初はどんなデートが良いのですか？」
「なんで話さなきゃいけないのよ。」
「良いじゃないですか。話す内容少ないし。」
暇潰し感覚で私の理想のデートを聞かれるのは癪だが、観覧車はまだまだ前半で乗り終わるまで時間がかかる。何も喋らずに終わるよりマシかもしれない。
「そうね…。デートするか分からないけど、強いていえば本屋巡りが理想かしら。色んな本を行き当たりばったりで探して知らないジャンルを開拓していきたいわ。そして近くの喫茶店で休んで、次は映画館、締めに夜景を見て終わりたいわね。」
「前半はいつも通りじゃないですか。」
「相手が居ると居ないとじゃ違うんじゃない？」
「そうですか、来ると良いですね。そんな幸せを共にする殿方が。」
「…私に来るかしら、そんな人。」
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肉塊(プロフ) - 冬斗さん» わーいありがとうございます〜もっと頭悪い小説にするので何卒〜 (2022年7月28日 10時) (
レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - そう言っていただいて嬉しいです…！作品いつも楽しく読ませて貰ってます！ (2022年7月28日 10時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
肉塊(プロフ) - 冬斗さん» いや草。誤字の指摘、ありがとうございます。あと自信を持って下さい。何回も謝る様な事貴方様言ってませんよ( 'ч' ) (2022年7月28日 10時) (レス) id: 9c26b5fd8b (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - なってしまいます。うぅ…文章が長くなってしまいすいません…失礼しました… (2022年7月28日 9時) (レス) id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
冬斗(プロフ) - すいません…自分なんかが初コメでおこがましいと思いますが、第四十七話の「再会」の最後の方で『あの時は彼が』の後が『鮭の飲み過ぎ』になっていました。恐らく『酒の飲み過ぎ』だと思います。このままでは夢主の中で、条野さんがしゃけを飲んで酔う人に (2022年7月28日 9時) (レス) @page49 id: 2506e918c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：肉塊 | 作成日時：2021年9月24日 3時
