不器用な恋 2

番外編〜バレンタイン〜 ページ14

「さて、あとはしのぶだけ！」

しのぶ「何がですか？」

「うわぁ！」

いきなり後ろから耳元で話しかけられ飛び上がる

しのぶ「ふふ、いい反応しますね。」

「し、しのぶ！」

しのぶってたまにこういうことするよね

しのぶ「それで、私がどうしたんですか？」

「あ、これ！」

私はチョコを渡す

しのぶ「...え？ふ、ふふふ」

急に笑いだしたしのぶに困惑する

「し、しのぶ？どうしたの？」

しのぶ「いえ、まさか同じだとは思わなくて。」

「同じ？」

しのぶは背中に隠していた袋を見せる

「あ！」

それは私がしのぶに渡したチョコと全く同じだった

「ご、ごめん！まさか同じだとは...って、しのぶはバレンタイン知ってたの？」

しのぶ「知ってますよ。色々な書物を読んでいればそういう情報も入ってきますから。」

そうなんだ
何だかせっかくサプライズで驚かせようとしたのにダメじゃん
でも好きな人からチョコ貰えるのは嬉しいなー

「しのぶも用意してくれてたんだ！ありがとー」

しのぶ「恋人に用意するのは当たり前でしょう？」

嬉しくて頬が緩むのがわかる
...あれ？くれなくない？

「しのぶ...くれないの？」

しのぶ「好きって言ってくれたらあげます。」

「...え？」

え？今なんて言った？好きって言って？
ちょ、急には無理だよ！心の準備とか！

しのぶ「ほら、早く言ってくださいよ。」

「な、なら、私もチョコあげたんだからしのぶも好きって言ってくれるの？」

こうすればしのぶも言わせようとしなくなるはず

しのぶ「...Aさん」

「...はい。」

しのぶ「好きですよ。」

ｸﾞﾊ
か、可愛すぎる
私から言わせといて私がダメージ受けちゃったじゃん！
ていうかもう言うしかないよね

「〜〜〜///好きだよ///」

しのぶ「Aさん、ちゃんと目を見て言ってくれないと。」

あーしのぶとっても楽しそう

「う〜///す、好き...だよ。」

しのぶ(なんですか？この可愛い生き物？)

なんでこんな可愛い顔見ながら好きとか言わないといけないの！？照れるに決まってるじゃん！

しのぶ「ありがとうございます。はい、私からのチョコです。」

「アリガトウゴザイマス。」

しのぶ「Aさん？恥ずかしいからってカタコトにならないでください。」

くすくすと笑いそう言う
まぁこの顔が見れただけでも良かったかな
しのぶには勝てないと思い知らされたバレンタインだった

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