【ヘタリア】猫と眉毛

29話 ページ31

次の日、早速パン屋の手伝いを頼まれた。
アルフレッドとおつかいだそう。

おつかいといっても2ブロックさきのお得意さんの家までパンをとどけるだけの仕事。
アルフレッドとは昨日仲直りしたから気分が良かった。


「ねぇ、アルフレッド。お得意さんってどんな人。」

私が問う。
すると、アルフレッドは難しそうに唸ってから、ハッと閃いたように口を開いた。


「ロン毛だよ。」


なんてピンポイントなんだろう。
他にもなにかあっただろうに。

あったこともないその人がなんだか哀れに思えた。


「私がきいてるのは性格だよ。」


私がそう言うとアルフレッドは、また唸り始めた。
さっきよりずっと長く、顔を歪めながら。

本当にロン毛しかないようで、結局答えはでないまま。



「あ、ここだよ。」


アルフレッドが指差す方向にあったのは綺麗な豪邸。
外壁が白だというのに一つも汚れたりくすんでいない。手入れがきちんとしてある証拠だ。

私はその綺麗な家に見惚れながら奥へ進んでいった。

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