26話 ページ28
「じゃあ、次は俺の話を聞いてよ。」
頬の赤みがまだ少し残った男の子が言う。
彼の表情はどことなく切なく、決心しているようにも見えた。
何かがある。まだ幼い私にでさえ、そう思うのには時間はかからなかった。
「いいよ。家族なんだから、なんでも話して。
なんだったら、頼りにしてもいいよ。」
柄にもなく、わざと明るく振る舞う。
私が彼に勇気づけられたように、私も彼になにかしてあげたかった。
「頼りないよ。」
そう言って、切なげに微笑む。
私が無理矢理、男の子を笑わせているようで少しだけ胸が痛んだ。
男の子は、まぁ、いいや、と言って話を続けた。
「実は、俺の両親も死んだんだ。双子の兄もそれ以来、祖父母に引き取られて疎遠だし。」
男の子はどこか遠くを見つめている。
まるで、心が他のところにあるみたいだ。
口から出まかせの私の嘘。両親が死んだかなんて本当は知らない。
だけど、こんなこと男の子に言ったら幻滅されてしまう。
もしかしたら、彼を深く傷つけることにもなるかもしれない。
「そっか、大変だったんだね。」
罪悪感でいっぱいで俯きながら言う。男の子の顔を見てしまったら本当のことを言ってしまうだろう。
その言葉はどこか、他人事のようだ。
実際は本当に他人事なんだけど、うまい返事がみあたらなかった。
「ごめん。」
消えそうな声で男の子が言う。
私は思わず顔を上げた。
なんで謝られたんだろう。
本当に謝るべきなのは、私なのに。
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熊ゴロ〜@ボスラッシュ(プロフ) - wacchannさん» コメントありがとうございます(￣(工)￣)応援しますだなんてめっちゃ可愛いですね。ガチで照れますw (2015年9月30日 16時) (
レス) id: 83051e0599 (このIDを非表示/違反報告)
wacchann(プロフ) - 展開、とても気になります！更新頑張ってください。応援しますっ (2015年9月30日 15時) (レス) id: 88e3f68056 (このIDを非表示/違反報告)
熊ゴロ〜@ボスラッシュ(プロフ) - ハナさん» コメントありがとうございます(￣(工)￣)更新死ぬきで頑張りますのでよろしくお願いします！ (2015年9月27日 21時) (レス) id: 83051e0599 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - イギ可愛い(*´ω｀*)面白いです！更新頑張ってください！(言ω言＊) (2015年9月27日 21時) (レス) id: bd9f78e9b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：熊ゴロ〜 | 作成日時：2015年9月27日 15時
