22話 ページ24
階段を降りて左側。
テーブルにはサラダボールやバケット、ビーフシチューが綺麗に並べられている。
「早く食べな。あんたの席はそこだから。」
「はい。」
新しく私のために買ってくれたのであろう椅子。
嬉しい反面少しだけ寂しく感じる。
私だけ、お客様扱いのようにされている気がしてならない。
どうせならもっとボロくて汚い椅子がよかった。
「どうしたんだいA。そんな浮かない顔して。」
口にいっぱいの食べ物を詰めて話すのは男の子。
その言葉にハッとして、なんでもないよ、と笑顔でいう。
そんな私の空返事に少しムッとしたのか、男の子は顔を歪ませる。
「A、なんか思ってることがあるんなら言ってくれよ。家族なんだから。」
家族という言葉が私に重くのしかかる。
嬉しいはずなのに、胸の奥がキュッと締め付けられているような気分だ。
「いや、別にそんなことない。」
「そんなことあるだろ。」
勢いよく立ち上がり、真剣な瞳で私を見つめる男の子。
何も言えなかった。
悲しくもないのに、頬に生温いものが流れていく。
「ごめんなさい、キャリーさん。私、部屋に戻ります。」
私は一方的に言い放ち、階段を駆け上がった。
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熊ゴロ〜@ボスラッシュ(プロフ) - wacchannさん» コメントありがとうございます( ̄(工) ̄)応援しますだなんてめっちゃ可愛いですね。ガチで照れますw (2015年9月30日 16時) (レス) id: 83051e0599 (このIDを非表示/違反報告)
wacchann(プロフ) - 展開、とても気になります!更新頑張ってください。応援しますっ (2015年9月30日 15時) (レス) id: 88e3f68056 (このIDを非表示/違反報告)
熊ゴロ〜@ボスラッシュ(プロフ) - ハナさん» コメントありがとうございます( ̄(工) ̄)更新死ぬきで頑張りますのでよろしくお願いします! (2015年9月27日 21時) (レス) id: 83051e0599 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - イギ可愛い(*´ω`*)面白いです!更新頑張ってください!(言ω言*) (2015年9月27日 21時) (レス) id: bd9f78e9b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:熊ゴロ〜 | 作成日時:2015年9月27日 15時