【ヘタリア】猫と眉毛

19話 ページ21

人混みの中。危ないからと言われて手をつなぐ。
初めて手をつないだ。

だからといってご主人のように熱を持つものはない。

「もうすぐで着くから。」

「うん。」

男の子の後ろ姿。
なんだか凛としたものを感じる。

「あ、そっちの角曲がるから。」

指さしたのは、パン屋の間の路地。曲がると行き止まり。
こんな所に家なんて作れないだろう。

さっきの雨のせいでジメジメしている。


「ねぇ、ちゃんとここであってるの。家なんてないじゃない。」


「は、何言ってんだい君は。このパン屋が俺の家。
住み込みで働かせてもらってるんだ。」


思っていたのと違った。
男の子には何かあるんだろうと思ってはいたが、まさかこの歳で働いているだなんて。


「え、じゃあもしかして。」

「そう、君も住み込みで働くといいよ。
オーナーや店長はいい人だから、すぐ受け入れてくれるよ。」


おもわず顔が引きつってしまう。
男の子はなんでこんなに自信満々に立っているのだろうか。

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