【ヘタリア】猫と眉毛

17話 ページ18

「これで、お互い様だよね。」

「なんか気に食わないけど、そういう事にしておくよ。」

つねっていた左手を男の子の顔から離す。
男の子は、ちょっと顔を歪めたけどしぶしぶ離してくれた。

そのいちいち棘のある言動はどうにかならないものだろうか。




「あ、あれ。」


「何、どうしたの。」


少年は指を空に向けて指す。
空には綺麗な虹が架かっている。



「綺麗、初めて見た。」

「え、君初めて見たのかい。俺が思う以上に君は変な子だね。」


真ん丸と大きく開かれた少年の目。
驚きを隠せていないのがわかる。

そんなに驚かれることなんだろうか。


「私、そんなに変かな。」

「君は十分変な子だぞ。
それに、君はここの街じゃ見掛けない子だ。どこから来たんだい。」


そっか、変か。
そこまではっきり言われてしまうと逆に清々しい。

でも、どうしようか。どこから来たかなんてこっちが聞きたいくらいだ。


「何ぼーっとしてるんだい。君は変だから隣町くらいなら送ってあげるんだぞ。」



男の子が私を急かす。
よくわからない優しさが少しだけ私の良心を傷つける。



「私ね、実はお母さんもお父さんも死んじゃってるんだ。」






こうなってしまえばもう当たって砕けろだ。

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