【ヘタリア】猫と眉毛

16話 ページ17

イギリスここはロンドン。ザァーザァーと雨が降り注ぐ。
ご主人と出会った時と変わらないはずなのに、物足りないと感じてしまうのは多分ご主人がここにいないから。


「折角お婆さんから貰ったのに、ビショビショになっちゃった。」

近くにあった建物の屋根で雨宿り。
ビショビショになった髪とマントの裾を絞る。


「もう、最悪。」


「本当にそうなんだぞ。」


隣から聞こえたのは私と同い年くらいの男の子の声。

私はびっくりして間抜けな声を出してしまう。
いつの間にいたのだろうか。



「酷いんだぞ、人をお化けみたいに扱って。」


「ごめん。ちょっと、ぼーっとしてて。」


それでも気に食わないのか、男の子は口を大きく膨らましそっぽを向く。
その姿はまるで河豚のようだ。

私は笑いを堪えきれず吹き出してしまう。



「あ、笑った。ますます酷いんだぞ。仕返しなんだぞ。」


頬を勢いよくつねられる。
結構痛い。

男の子は余程私の顔が面白いのか、大きな口を開けて笑っている。


「酷い。私だって。」

負けじと頬をつねる。
男の子顔がブルドックみたいになっている。









あれ、さっきまで寂しかったのに、なんだか楽しいかも。

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