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15話 ページ16

「じゃあ、諦めなさいよ。ロンドンくらいまでなら馬車で送るわよ。」

そう言われてから10分ほどたった今。
私は、馬車に乗ってただ揺られていた。


本当はご主人のもとへ今すぐに行きたい。

物語の主人公とかだったらそんなこと朝飯前だろう。
だけど私にはできない。ご主人に嫌われたらどうしようと考えただけで、足がすくむ。



「それにしても、この先どうしよう。」

深い溜め息を吐く。

勿論、市街地にあてなんてない。
そんな私にこれからどうしろというのだ。


「また、ご主人が私を見つけてくれたらいいのに。」

叶いもしない妄想を語り、ザアザアと雨が降っている窓の外を眺める。
景色は森から抜けて、商店街のような場所だった。

それにしても、あのでっかい時計塔はなんだろうか。




「ビックベンよ。もうすぐ着くから降りる準備して。」

「は、はい。」


一気に生気の無い声になる。
地獄のドン底に突き落とされた気分だ。


お婆さんは呑気に鼻歌なんて歌っちゃってるけど、魔女とはこういうものなんだろうか。



「そんなもんよ。到着したから早く降りて。」


馬車は人気の多い大通りに止まる。
私は馬車から捨てられるように、馬車からおりた。


「本当に、私これからどうしたら良いんでしょうか。」

「さあね、でも今晩の寝床くらいは探した方がいいんじゃない。
ほら、これあげるから頑張りなさい。」

赤い靴と暖かそうなマント。
手渡されたのはその2つだった。

お礼を言おうと思ったが、既にお婆さんの姿は無かった。

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熊ゴロ〜@ボスラッシュ(プロフ) - wacchannさん» コメントありがとうございます( ̄(工) ̄)応援しますだなんてめっちゃ可愛いですね。ガチで照れますw (2015年9月30日 16時) (レス) id: 83051e0599 (このIDを非表示/違反報告)
wacchann(プロフ) - 展開、とても気になります!更新頑張ってください。応援しますっ (2015年9月30日 15時) (レス) id: 88e3f68056 (このIDを非表示/違反報告)
熊ゴロ〜@ボスラッシュ(プロフ) - ハナさん» コメントありがとうございます( ̄(工) ̄)更新死ぬきで頑張りますのでよろしくお願いします! (2015年9月27日 21時) (レス) id: 83051e0599 (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - イギ可愛い(*´ω`*)面白いです!更新頑張ってください!(言ω言*) (2015年9月27日 21時) (レス) id: bd9f78e9b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:熊ゴロ〜 | 作成日時:2015年9月27日 15時

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